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私の好きなものについて

映画 ■■ダラス・バイヤーズクラブ■■

2014年05月05日 23時49分10秒 | 映画
主演のマシュー・マコノヒーがアカデミー主演男優賞受賞、そしてジャレッド・レトーが助演男優賞。
この二人は素晴らしかった

「誰かが演じている」と全く感じさせない
ロンとレイヨン本人がそこにいて
ドキュメンタリーを見ているような
圧倒的なリアリティ



映画 ■■ダラス・バイヤーズクラブ■■



Yahoo映画の評価(2014年5/1現在) 4.35(5点満点)



今回は全てネタバレ気味に書いていきますので
これから観る予定の人は読まないでくださいね



エイズは同性愛者がかかる病気と誤解され
誤った知識と偏見が蔓延していた1980年代の
実話を基に作られた映画



テキサスはアメリカ都市部と違い
同性愛者への偏見や嫌悪が強い所
そこに住む電気工でロデオカウボーイのロンは
酒、ドラッグ、セックス、賭け事で日々を暮らす。
「それが男の生き方」と考えているから
同性愛者や、性同一性障害をもつ男性などに対して
自然と嫌悪感がわき上がり攻撃する。



そんな自分がHIV患者で余命30日と宣告される。
「ホモではないのに何故?」
混乱の渦中
HIV患者であることが仲間に知れ渡ってしまい
激しく嫌悪、拒絶され
酷い嫌がらせを受ける

でもそれは
以前自分自身がやってきた事と全く同じ



そうして初めて
今まで全く聞こえなかった「声」が
聞こえるようになる

周波数が合わなくて雑音しか聞こえなかったラジオが
突然きれいに電波を拾って
クリアに聞こえ始めた時みたいに

それまで忌み嫌っていた人達の気持ちが
突然分かるようになる
彼らの気持ちは、そのまま自分の気持だ



死を目前にした時の絶望、不安
断崖絶壁で「助け」を求める声が
痛い程聞こえてくるのだ

「守りたい」と口に出しては言わないが
ロンは
たくさんの命を守るために奔走する



表向きは、金儲けのため



でも、心の底には
弱っていく命を助けたい
社会的な地位の弱い人達を守りたいという
博愛の心があった

そして、患者の命や痛みに冷淡な
病院や製薬会社に対する怒り

メキシコの無免許医師と同じ



奔走を続ける中
ゲイである患者達から感謝され
(彼らにとっては
 命を救ってくれた神様のような存在なのだ!)
お礼にと、事務所を無償で提供する人も現れる

性同一性障害のレイヨンにも
ビジネス・パートナーとしての信頼関係以上に
深い友情を感じていく

新しい気持ちが相互に生まれていくのだ
感謝、友情、信頼、いたわり、愛情
その気持ちは相互に何度も行き交い
新しい精神的エネルギーを生み出す



この喜びは、人とのつながりは
HIV患者にならなければ得られなかった

AIDSウィルスに感染していなかったら
一生
ゲイに対する偏見や嫌悪感に凝り固まったまま
酒と煙草とドラッグで
所詮、長くは生きられなかったのでは?



余命30日と宣告されて
図書館でHIVと治療方法について
調べまくるあの集中力

記憶力、判断力、行動力
全て、患者となったことで引き出されたのだ

医学・薬学に関する書物を読みあさり
理解する高い知性を
元々潜在的に持っていたのだが
それまでのドラッグ漬けの毎日では
使われることはなかったのだ



スーパーで
「加工食品はダメだ
FDA(アメリカ食品医薬品局)が認可したものなんて毒だ
食べちゃいけない」と
野菜や肉など加工されていない食品を選ぶロン

ちょっと前まではドラッグ漬けだったくせに



こんなに人生が変わるとは
こんなに心も変わるとは



「どうして自分だけがこんな目に」と思うような
世界の終わりを宣告されるような運命

避妊具を使わない性行為で誰もが感染する訳じゃない
自分がジョーカーを引いてしまったことは
サイコロを振るのと同じ

「どうして?」の答えは、「単なる確率の問題」

でももしかしたら
「確率」以外の答えがあるのかも知れない



自分が今ここに生き
突然、ジョーカーを引いてしまうこと
実は「行動しなさい」というメッセージなのかも知れない

天から突然与えられる使命なのかもしれない
「あなたなら出来る」と
神様から選ばれたのかも知れない
と、感じました



だって、ジョーカーを引いたこと
ロンにとっては「世界の終わり」なんかじゃなかった
そこから全てが始まり
ロンは全く別の人生を手に入れた



自分がジョーカーを引いてしまったとき
自暴自棄にならないで
自分が引き当てた意味を
感じられるといいな

でもきっと私は自暴自棄になって
嘆いてばかりだと思う...(;^ω^A

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