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映画 ■■ジュラシック・ワールド■■

2015年08月14日 19時35分14秒 | 映画
「ジュラシック・パーク」オリジナルは
私が今まで観た映画の中のトップ10に入っているくらい好きだから
第四作目の「ジュラッシック・ワールド」も
公開が楽しみでした



映画 ■■ジュラシック・ワールド■■





あれー?
いつの間にテーマパーク「ジュラシック・ワールド」は
オープンしたの?

恐竜達の力は人間のコントロール能力をはるかに超えているから
ビジターの安全を保障できないから
企画倒れのままになっていたと思っていたのに
いかにしてビジターの安全を確保出来るようになったのか?
しかも、島内に1万1千人以上滞在しているって????
いつの間にか問題はクリアして
ビジネスとして大成功しているようです



若き責任者クレアが語る
「テーマパークの満足度を維持するには
同じものを提供し続けるだけではダメ
常に進化していかないと
常に新しいものを提供してグレードアップしていかないと」

これはそのまま
映画をシリーズ化するための使命とも言えるな~と思いました

同じものを見せているだけだと
納得しないんだよね



そこで今回の「ジュラシック・ワールド」は
既存の恐竜を復活させるだけでなく
遺伝子操作によって
全く新しい恐竜を創造するというステージまで
グレードアップしていました

しかも、新種をクリエイトする度に
「もっと大きく、もっと凶暴に
もっとたくさんの歯を!」と
ビジターの期待も膨らんでいるそうです

それはまさに「ジュラシック」シリーズの観客と同じ
いやいや、最近の映画の観客と同じ
ちょっとやそっとのことでは驚かなくなってる

映画産業は、手を変え品を変え
新しい手法を生み出し
観客は最初は驚いているけどすぐに飽きて
「もっともっと」とグレードアップを要求する
「もっと残酷に、もっと怖く、もっと大規模に!」



そんな「もっともっと」とやりすぎて
カオスになっているんだけど
もうこのまま突き進み続けるしかないという
映画界の苦々しい苦悩を感じたなあ~



私の期待には十分応えてくれてたので
とても満足して観たのですが
ちょっと物足りない所は
人間の愚かさに対する警告が殆ど感じられなかったこと

20年前、オリジナルを観た時、友達が
「とても怖くて残酷だった
娯楽映画なのにあそこまで怖くしなくていいのに
スピルバーグらしくない
どうしてあんなに怖い映画にしたんだろう?」
と、言ったのです

で、私は
「人間の愚かさに警鐘を鳴らすためには
生ぬるいレベルだと身につまされないから
徹底的に怖くして警告したかったんだと思う

人間が絶滅させた動物ではなく
自然の摂理で絶滅した生物を
生物の進化の歴史を全く無視して
今の時代に蘇らせるという神の領域を侵すことは
こんなに恐ろしい、危険なことだから
絶対やってはいけないと
知らしめたかったんじゃないかな?

人間が恐竜に惨殺される度
『これでもやるか!これでもやるか!』
って、言っているみたいに見えた」
と、答えたのです



そういう、オリジナルが作られた時に感じた
人間の奢りに対する警告
自然の摂理への敬服...みたいなのは
今回は全然感じませんでした



考えてみたらこの20年の間に
「神の領域を侵す」ことへの抵抗は
自分でも驚くくらい麻痺してきています

「遺伝子操作によって人間が作った新しい生命体は
研究室の中に閉じ込めておくべきで
自然界に放つべきではない」
と私は思っていたけど

いつの間にやら遺伝子操作された農作物は
自然界はおろか
市場や食卓にバンバン出てきているし

人工授精だとか代理母だとかに対する
抵抗も非常に低くなっていると感じます

大自然に対する畏敬の念は
風前の灯火といった感じ



その傾向は今回の映画からも感じた
20年前「ジュラシック・パーク」からガンガン伝わってきた
「人間の奢り」に対する強烈な警告も
完全になくなっていたように思えました

エンターテイメントに振り切ってしまったような
きっとまた続編も作られるのだろうな
「何度やっても人間は学ばない」というのが
新しい前提でこのシリーズは続いていくのでしょう






ネタバレ感想



20年前に作られたオリジナルへのオマージュが
散りばめられているのが良かったなあ
当時、姉弟が恐竜から逃げ回ったジープとか
引き裂かれた横断幕を身体に巻き付けながら
Tレックスが吠えていた旧テーマパークのロビーとか
(うろ覚え)

クライマックスで
窮地を救うのはTレックスの登場だったのも
オリジナルと同じ

最後に、島からしっぽを巻いて逃げていく人間達に
Tレックスの雄叫び
「もう来んな~~~!」
と言わんばかり

「お前ら、懲りてね~~~」
とも聞こえたりして



ほとぼりが冷めた頃
またやってきて、またパークを作るのでしょう
そして、続編となるのでしょう



それから
ラストシーンには呆れ返ってしまいました

テーマパークの責任者クレアが
自分の運営するテーマパークで
多くの人の人命が失われ、傷ついたというのに

自分のしたことへの猛省とか
犠牲者に申し訳ないと思う気持ちとか
自責の念とか皆無で

自分の恋の行方の方が気になるのです
そして、それが上手くいきそうだと分かると
微笑むのです

こんなヤツのせいで
命を奪われた犠牲者や
地獄絵図を経験した遺族達は
本当に浮かばれませんね

ああホント
オリジナルにはしっかり「哲学」があったのに

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2 コメント

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こんばんは (ゴーダイ)
2015-08-14 23:15:35
そうそう、この映画全体を貫く哲学が全くなかったですよね。
あとは、もう原作にあった描写でまだ映画化してないシーンのパッチワークだったような・・・
もうネタ切れなんだけど、続編はどうなるんだろう?さすがにテーマパークはやれないんじゃないでしょうか・・・恐竜が軍用兵器になるのかな。
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ゴーダイさんへ (ann)
2015-08-14 23:41:13
もうネタギレですか!
恐竜が軍事兵器に...ありえそうですね

ロボットみたいに恐竜を遠隔コントロール出来る装置を発明するのかな?
そしてそれをテロリストに奪われて、恐竜に破壊されるホワイトハウスやリンカーン像...
そこに「トップガン」的要素を加えて...

しかし最近は本当に公開される映画の半分が続編ですね...
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