That's the Way I Am

私の好きなものについて

仮面を付けるか、自分の中に人格を入れるか

2013年03月28日 19時59分00秒 | お芝居
役者が演技をする時
2つのタイプがあるときいたことがあります



一つは、仮面を付けるみたいに
自分がキャラクターの中に入っていくアプローチ法

「この人はこういう人だ。こういう設定だ。」
ということを理解して
やや客観的にキャラクターの中に入って
演じていくやり方だと思う



もう一つは逆に
自分の中に、演じるキャラクターを入れるやり方

有名な俳優だったら
例えば樹木希林なら
どんな役を演じていても、樹木希林にしか見えないみたいに

個性派俳優さんに多いタイプなんだけど

自分の器の中に、演じるキャラクターを入れ
そのキャラクターが感じていることを
あたかも自分が感じているように表現する

役者とキャラクターが一体化していて
演技はとても自然



宝塚のお芝居を観ていて
宝塚の男役スターさん達は
みんな前者の
仮面を付けて演じているな、と思いました

お芝居も「スタイル」で見せるタイプで
例えば戦闘シーンに
リアリティとか
ナチュラルさはあまりなく

「私たちは今、戦争してますよ~」と
バレエが踊りで戦いを表現するように
華麗に、美しく見せて、魅せています

歌舞伎なんかも同じ
スタイルのお芝居



宝塚の男役スターさん達は
男らしい歩き方や立ち居振る舞い、仕草を見せるけど
リアルな男性とは遠い

あくまで美しく華麗
男の仮面を被って
男性のキャラクターを
絵を描くように
バレエを踊るように表現していると感じました



さてさて、先日観た
宝塚のベルばらに

1人、明らかに周りの男役スターさんとは違う方がいらっしゃいました



男っぷりが実にナチュラルなのです

低い声も自然
歩き方も自然

「あれ?男性ホルモン注射してる?」
と思うくらい
リアルな男性に見えました(←失礼だな~)



スタイルのお芝居とは違います
リアリズムのお芝居



宝塚の男役スターさんたちは
仮面の隙間から時々チラチラと見える
「女性」が
また面白いのですが

彼女は隙がない
最初から仮面などない
全身が男性になっているよう



彼女は男の仮面を被っているのではなく
自分の中に男性のキャラクターを入れて
自分自身と一体化させて見せてくれいるように見えました




「宝塚の男役スターはみんな仮面を付けるタイプ」
と、私は思っていましたが

もしかしたら、彼女以外にも
ナチュラルな男っぷりを見せてくれる男役さんは
たくさんいるのかも



これからはそういう所も注目して
お芝居見ていきたいと思いました

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