しましましっぽ

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「夜にその名を呼べば」  佐々木譲

2011年07月05日 | 読書
「夜にその名を呼べば」  佐々木譲    ハヤカワ文庫JA

1986年10月、ベルリン。
欧亜交易社員の神崎哲夫は、とつぜん窮地に陥った。
親会社の共産圏への不正輸出が発覚、証拠湮滅をはかる上層部の指令で、神崎は命を狙われる身となったのだ。
しかも上司殺害の濡れ衣まで着せられ、彼はベルリンの壁を越えて東へ亡命、消息を絶った。
それから五年後、日本の関係者たちに謎の手紙が届き、雨の小樽に凄絶な復讐劇が幕を開ける。
    <文庫本裏カバーより>




始まりは、流れが少しいまひとつな感じ。
それは、神崎の戸惑いのペースだったのかも知れない。
ココムのことをきちんと理解しようと、自分の中で時間が掛かったからかも知れない。
結局、それほどきちんと理解しなくても、物語には付いて行けるので大丈夫。
小樽に集結してから、ぐっと面白くなる。
途中で、真相に何となく気が付いたが。
そうまでしなければならない気持ちも充分に伝わる。
しかし、実際にそんな犠牲があっても、どうすることも出来ないことの方が多いのだろう。
せめて復讐劇で、うさを晴らしたい。

雨の小樽の夜。
雰囲気も映画を観ているような感じで良い。
それにしても、神崎敏子は50代で、初老はないだろう。
まだまだ、何でも出来る年代だ。

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