しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「私刑連鎖犯」 ジャン・バーグ 

2010年03月04日 | 読書
「私刑連鎖犯」 ジャン・バーグ   上・下巻   講談社文庫
  NINE            渋谷比佐子・訳

アメリカ、カリフォルニア州。
レークウッドで、FBI指名手配犯が逆さ吊りにされ殺されているのが発見される。
そばに血で書かれた「9」が。
ロサンゼルス郡保安官事務所殺人課の刑事アレックス・ブランドンが捜査を担当する。
アレックスは、その状況を見て、10年前の女性連続殺人事件を思い出す。
それはジェローム・ノートンが義理の息子、キットに手伝わせて行なった事件。
ノートンはキットの母親も殺し、キットに殺されていた。
犯行はエヴァレット・コーリーをリーダーとする『プロジェクト・ナイン』。
メンバーはキャメロン・バージェース、フェレデリック・ホイットフィールド四世、モーガン・アディソン。
4人はセジウィック校の同級生だった。
キットも同じエバレット校の同級生で、4人の犯行を見抜いていた。
アレックスは、この事件に自分に向けたメッセージがあることを感じる。



物語の流れがなかなか掴めず、面白みがわからないまま読み進む。
視点が、アレックス、キット、『プロジェクト・ナイン』に分散されていたから。
そして、アレックスとキットが何となく似ている感じで、人物がつかめなかった。
それぞれの関係が分かって来て、加速度的に面白くなる。
『プロジェクト・ナイン』の活動は、『デスノート』を思い出す。
凶悪犯が退治されることで、市民が賞賛を送るのも同じ。
警察はそれを捕らえようとする。
社会は個人が勝手に判断するのではなく、法が必要だということを知らせてくれる。
それを示してくれるのが、指名手配犯のガブリエル・タガート。

色々複雑な関係があり、こちらを惑わす出来事もある。
しかし、最後まで読んでも、何故という疑問が解決されない事柄がある。
FBI捜査官のハミルトンの行動。何故あそこにいたのか、何をしようとしていたのか。
そして、アレックスのパートナー、キアラ・モートン。
そうなった状況や、何を望んでいたのか。
登場人物が多いから、全員は書けなかったのか。
モリアーティやアレックスの叔父、ジョン・オブライエンも興味がある人物。
しかし、事件に関わることは知りたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「汚れた翼」 ジャン・バーク  | トップ | 第65回 びわ湖毎日マラソン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事