しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「三島屋変調百物語八之続 よって件のごとし」 宮部みゆき

2024年08月06日 | 読書
「三島屋変調百物語八之続 よって件のごとし」 宮部みゆき  角川書店 

第一話 賽子と虻
その村の神様、ろくめん様が賭博で負けて、虻の神様がくっ付いて来る。
その虻の神様は、拝んで見返りを差し出すと誰かに呪いをかける事が出来る。
その呪いに掛かった姉を助ける為に餅太郎は、自分での呪いを引き受け、虻とともにろくめん様の賭場に行く。
そこで賽子とともに働いで、元の世界に帰れる日を待っていた。
賽子の代替えがあったり、賭けに負けたつばめの神様を助けたりしていたが、ある時その世界が崩れ始める。

第二話 土鍋女房
川の渡しをしている一家。
男が継いでいるが、早死の家系となっている。
長男の喜代丸は嫁を貰う事を拒んでいた。
喜代丸は川の主に見初められ、恋仲になっていた。

第三話 よって件のごとし
中ノ村の夜見ノ池で、男の死体が浮かび上がる。
しかし、その死体は突然動き出し、村の男に噛み付く。
やがて噛み付かれた男も同じような状態になる。
夜見ノ池から、少女、花江が現れる。父親を追って来たと言う。
その父親が死んで動いた男だった。
花江は自分の羽入田村で起こる忌まわしい出来事を話す。
冬至の頃、突然現れる〈ひとでなし〉は冷気と臭気をまとい村人を襲う。噛まれた人は同じような状態になり、人を襲う。
そうなったら首を撥ねるしかないが、父親はまだ半分正気を持っていたので、様子を見ていたら、
黄泉ノ池に飛び込んでしまった。それで後を追って来た。首を撥ねる為に。
まだ〈ひとでなし〉のいる村へ帰ろうとする花江を、中ノ村の男たちは助けたいと一緒に池を潜って行く。






イラストは可愛いけれど、今回はかなり物凄い物語。
特に第三話はゾンビとの戦いのようで、かなり悲惨。
しかし、別の世界の話ではないのだから、逃げてもいつか〈ひとでなし〉と〈腐れ鬼〉が追い付いてくるのではないのだろうか。
誰かが退治しなければ、そちらの存在の方が強いのだから。
第一話は別の世界の話で、虻の呪いの部分は気持ち悪いけれど、神様との話は面白い。
しかし、1番怖いのはやはり人間なのだ。
第二話は、どこかでありそうな物語。
土鍋と言うのが変わっているけれど。

三島屋も変化が訪れて、この先百物語も少し変わって来るのだろうか。
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