みなさんこんにちは蟹バリズムです。
今回紹介するのは『π〈パイ〉』です。
ジャンルはサスペンスとなっております。
2024/3/14の“円周率の日”にはデジタルリマスター版が上映されます。
ダーレン・アロノフスキー監督の長編デビュー作ですね。
【上映時間】
85分
【制作国】
アメリカ
【監督・脚本・キャスト】
【あらすじ】
天才的 IQ と数学能力を誇るマックス・コーエン。宗教真理からウォール街の株価予測まで、世界は全て数式で説明できると確信しており、マンハッタン・チャイナタウンの自宅にある自作コンピューターで日々神秘の数字の法則探しにのめり込んでいる。そして、ついに核心に触れると思った瞬間、彼は謎の組織から付け狙われはじめ、そして彼の脳内には異常な変化が起こり始める――。
【ネタバレなし感想】
白黒映画。ダーレン・アロノフスキーの長編デビュー作。
低予算名作。
数字に取り憑かれた男。
ひたすら答えを求め続ける主人公を、答えのないスクリーンの中で描く。
光の使い方が凄い。
だから白と黒がものすごく美しい。
白黒2色を使って奥行きを見せ、ときには1色だけを使い平面的に見せる。
この使い分けが見事だった。
“数学”の象徴として、さらには“白黒”の象徴としても劇中で「囲碁」が何度も使われている。
数字が持つ強さ、怖さ、規則性、ときに見せる不規則性、不思議さ、無機的な雰囲気を具現化したのが主人公の男だろう。
グルグル回るカメラや、主観ショットと正面からのショットを交互に見せる演出も見事。
音楽もめちゃくちゃ良かった。
これは劇場でしか味わえないと思う。
しっかり数学と芸術の関係性にも触れていた。
まさにこの作品は芸術である。
僕が求めてた映画はこれ。
オールタイムベスト入りました。
公開日が3.14なのも好き。