Sea Loves You 石川秀美

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ドレスの下の狂詩曲

2010-10-31 16:35:09 | 00.Single-A

Photo 個人的にとても好きな曲。
前作の25thシングル:Everynightがダンスミュージック寄りだったのに対し、ロック寄りの曲であるが従来の石川秀美路線の進化である事も嬉しいのである。
それだけに歌の魂も曲に入っている。

曲タイトルは意味が良くわからないがw歌詞の世界観はもうすっかり成熟した女性である。
ビジュアルも美しく大人の女性らしさを前面に出していた石川秀美のイメージ像である。
15thシングル:Sea Loves You~キッスで殺して~を夜の世界にした感じ。
手馴れた女が純情な男を引率しているのであろうか?!一歩踏み出して大人の男にしてあげようというアダルトさ。

また歌詞の語呂合わせもいいね。
狂詩曲rhapsody>旋律melody>親愛sympathy>定石theory
幻想fantasy>情夫monami>推理劇mystery>無情misery

作詞家:Michael Korgen=馬飼野康二の言葉の羅列は曲のメロディと合致しますね。
前期はアレンジのみだったが、後期の石川秀美作品には作曲もなかなかイイ感じ。よく捉えている。

同日発売の19thアルバム:Praivate nudeも合わせてMichael Korgen名義のプロデュース作品であった。
実にアーチスティックなコンセプトアルバムだったのと、クールな雰囲気であり、88年における石川秀美シングル作品と共にトータルプロデューサーであった。
シングルベストを聴く中でのこの曲の前後シングルにおけるアレンジが統一されているのも良い。
ただアルバムにはこのSide_Aシングルは未収録なんだよな。Side_Bは収録だけど(CD盤)。
そのため、CD音源でのこの曲の入手が困難であった。

レコード時代から8cmCDが出ていた頃で、まだまだアナログレコードの方が主流だったため、CDシングルを持っていた人は少ない。
俺自身もこの曲はEPレコードで購入し、また、量販店にてもまだまだシングルCDの棚は少なかったと記憶している。
なかには導入早かったレンタル店落ち、中古店落ちのCDシングルなどが少なからず存在はするのだが、2004年発売の石川秀美BOX~Complete Single Collectionが発売されるまでは高価なレア物であった。

レコードジャケットでもさりげなく自然な姿と、大人の妖艶な色合いとカット。
Side_Bのジャケットは90年代にリリースされたベストアルバムのジャケットになっているが、この曲は未収録。
実に1988年の初回生産盤から2004年までのベストBOXのCD発売まではCD音源がなかった12年。

曲調は歌謡ロックとFUNK色を織り込んだアッパーな曲である。
特にアレンジのベース音の動きがよい。間奏のEギターのリフとドラムリズムの相性の良さは素晴らしい。
前回のブログに書いた24thシングル:デス・トラップのSide_B:真夜中のジュリエットで物足りなかった分をバブル時代に反映して豪華なアレンジが成されてるのが良い。

ちょうど1989年の暮れ近くなると、ユーロビートよりもダンス甲子園であり、個人的にもメリハリありなブラックミュージックが好きなだけに、ブラックコンテンポラリーのようなR&B的なリズムトラックが最高にキマッテいる!ハマッてる!
和製ブラコン路線なら菊池桃子率いるラ・ムーなんかの楽曲あたりも、この頃の石川秀美に相応しかったと考えられる。

曲の良さと共に歌唱力の良さである。この頃になると柔らかい歌唱も、得意の硬い歌唱も巧みに使いこなし、石川秀美ならではの歌の巧さを持っていますね。
この曲は石川秀美以外には巧く歌えない。
楽曲方向性として近いところで、仲村知夏なんかの曲も石川秀美が歌った方がハマる。また、同期デビューの早見優の路線も良いだろう。
しかし彼女たちには声がライト過ぎるのでサラッとしすぎている分、もっとしっかり歌ってくれる石川秀美の歌い方の方が派手な楽曲には向いている。
石川秀美の歌い方はUSA産の歌手に多くみられる個性的な歌唱法。
この後のシングルがスロー、ミディアムな作品が続いたが、もうしばらくこのUPテンポ路線で攻めて欲しかった。

25thシングル:Everynightよりもオリコンチャート最高位が上位をマーキング。#82→#67。
上昇した理由は何故かはわかりませんが(アルバムリリースにおけるプロモーション効果であろうか?)
レコードセールスはやや下回る結果となってしまい、ランキング面・セールス面どちらに於いてもこれまでのシングル成績の中でも下降線の一途を迎える。

同時期の歌番組の減少や、バンドブーム到来によるアイドル氷河期等、アイドル歌手市場の全体的な衰退でもあった。
ヒットしていた歌手でさえ全盛期に比べるとヒットセールス面は落ちているから、市場的にも難しい時代と考えられる。
しかし、ランキングと共にもう少しセールス面を伸ばせないと、見込みが立たず次作品のリリースが危ぶまれるものである。

戦略方向として何かタイアップをつければ良かったのにね。23thシングル:素敵な勇気以降のタイアップなしのシングルの成績は芳しくないだけに。
時代的にもタイアップ付シングル楽曲作品がかなり重視されていただけに惜しい。

テレビでは歌番組が減少する中、リアルタイムでこの曲のみ、歌っているのを観た事はないのだけれど、今の時代の産物であるYoutubeで初見のテレビ映像。

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すごい美女。手足の長さがいかされてる衣装。とてもセクシー。ただどれが公式な衣装なのかはわからない。
レコード時よりも歌唱の仕方がうまく強調される部分があって、生歌ならではの良さも感じる事ができる。

そしてこの曲は女性コーラスがついて、デュオのようなツインボーカルタイプで歌披露されていた。
この曲のグルーブがいかされたリズムの取り方で、前に出すぎず出なさすぎずで石川秀美の表情にも信頼感がある。
ソロ歌手の中では珍しいパフォーマンス構成。

さらに当時行われたライブツアーでも、同体制で披露されたのである。ライブではバックコーラスも兼ねていたか。
ライブでのこの曲は超かっこよかった!石川秀美ファンで良かったなと嬉しくなった事を記憶している。
アンコールでも歌ってくれたり。
いつか、また、石川秀美ライブをやって欲しいものである。その時にはこの曲をまた歌っていただきたい。

この曲本当は、同日の10月5日にUPしたかったのだが、遅れてしまいました。
ハッピーハロウィーン!来るべき冬に備えて楽しみましょう♪

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YouTube: ドレスの下の狂詩曲(ラプソディ)/石川秀美


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