BABYMETAL - メギツネ - MEGITSUNE (Full ver.)
マスコミによるももクロ絶賛の背景にあるものは「ポストAKB」だったと思っている。いい加減違うものを見たいと思っている人達にとって、違いが明確にわかるものは入りやすい。大人数が画面いっぱいに出てくる構図に辟易していたような人にとって5人というのはとても新鮮に見える眺めだったのかもしれない。
マスコミという言葉の持つ意味がデジタルも内包するものになっている現在、その回転の速さは驚異的で、もう頂点に登りつめた感のあるももクロに変わる存在を欲し始めている界隈も存在する。そこに現れたのが5人どころか3人というグループ。しかも、センターがわかりやすいくらいエースなオーラを発散している実力者。両サイドが絶妙な味を持つ飛び道具。これは掴みは非常にシンプル。シンプルは大衆化に必要な要素。
既にアイドルヲタは二年前には気づいていたし、二年前のTIF映像でも盛り上がる会場の映像がCSの電波に乗った。でも、これは仕方が無い。アイドルヲタと「マスコミ」は二年の隔たりがあるのはいつもの事。AKBが「国民的」になったのは「大声ダイヤモンド」から二年後の「ヘビーローテーション」からと言ってもいいだろう。モーニング娘。だって結成してから二年経ってから国民的になった。ももクロもテレビが騒ぎ出したのは「怪盗少女」から二年後。
それはともかく、今BABYMETALが熱い!のだそうだ。アミューズという大手に居ながらにして、ここまで気づいてもらうのに時間がかかったのは、今書いた「二年の壁」もあるのかもしれないけれど、さくら学院が育成組織なグループである事、さくら学院のコンセプト自体が世間が扱いに持て余すものであるからに他ならない。だから「今」なのだろう。
AKBに飽きた人、元々AKBには興味が無いけれどアイドルは好きな人、そういう人を引き込むためにスターダストは「ももいろクローバーZ」は他とは違う!という看板をわざわざ掲げざるを得なかった。戦略としての大見得。そして、ハロプロは「実力」をキーワードにしてきた。BABYMETALはその両方を備える事で打って出た。ももクロが作った「他のアイドルには興味は無い」人向けの雛形を上手くアレンジして、そこに実力派エースが問答無用な存在感を見せ付ける。出来すぎな完成度です。
逆に言えば、出来すぎている部分、つまり大手アイドルがファッションとしての「サブカルチャー」を演じてみせている部分も含めて、アイドルにありがちなハラハラでワクワクな感じに乏しいのが欠点と言えなくもないけれど、そういう感想が頭に浮かぶような人ははなっから商売相手と想定していないのだろう。さくら学院では「接触商法」という現在アイドル界に蔓延する劇薬には手を出さずに正統派アイドルを構築している傍らで、BABYMETALは正統派だとか主流からは距離を置き、その距離感が居心地良い人々を惹きつけているのだから、見事なまでの作り手の手腕と言うしかない。
公演を重ねる毎にどんどん会場の規模が大きくなっているBABYMETALだけれど、音と歌がしっかりとしていてブレがない限り、今後も更に大きくなっていくと確信している。
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