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アマラオ引退試合と東京ガス的試合

2008-05-11 22:37:06 | サッカー

 今日は東京・調布の味の素スタジアムに行って、「キング・オブ・トーキョー」ことアマラオの引退試合を観てきました。ハロプロヲタの方には、ガッタスコーチとしてもお馴染みの明るいブラジル人です。
 Jリーグの規約で、公式な引退試合はJリーグ通算500試合以上出場という条件があり、アマラオはそれに該当せず、サポーターが企画する形でスタートして開催の運びとなったそうで、そのため入場は無料でした。
 アマラオは1992年に東京ガスサッカー部に入団。チームが1999年にプロ化して「FC東京」になったのち、2003年まで東京でプレイして通算330試合に出場しましたが、東京ガスはJリーグチームではないため、その現役生活の多くをアマチュアリーグで過ごしました。しかし、東京にJリーグチームが生まれる事になった立役者の一人と言っても過言ではなく、そのキャリアにサポーターは敬意を込めて、味の素スタジアムのゴール裏には今でも「KING AMARAL STADIUM」という横断幕を掲げています。

 さて、そんなアマラオの引退試合は、色々楽しみがありました。ひとつは「東京ガス時代の選手がたくさん出場する」「引退したFC東京の選手が出場する」でした。引退試合は、その東京OBによる「TOKYO LEGENDS」対Jリーグを盛り上げてきた名選手による「AMARAL AMIGOS」による対戦。アマラオは前半はアミーゴス、後半はレジェンズでプレイで、30分ハーフでした。
 レジェンズのメンバーが試合前に発表されましたが、1994年(東京のゴール裏応援が開始された年)に東京ガスの試合を観に行き始めた自分には涙モノなメンバー。よくぞ、ここまで集めた!と拍手を送りたくなる顔触れ。レジェンズはそんなコアな東京サポ向けのチーム編成とすると、アミーゴスは元日本代表がたくさんいる。ラモス、小島、永島、山口、小倉、前園、相馬…。あと、ガッタスのコーチとしてもお馴染みのフットサル選手&コーチの面々も出場。

 14:00キックオフ。東京サポが、昔と同じ歌を選手達に送る。今は赤嶺に使われている「ジンギスカン」の元祖、岡元に向けて歌う。(ジンギスカンのサビで)「オッ、オッ、オカモト!ゴール!ゴール!ゴール!ゴール!」。岡元は、東京ガスがFC東京になって初の試合となる、1999年のJ2開幕戦でチーム初ゴールを決めてくれた選手だ。飛び出しの速さは少し健在。
 背番号17の人気選手鏑木亨にも昔と同じくシブガキ隊の「ZIG ZAGセブンティーン」に合わせて歌が歌われる「じゅうしちはカブラギ カブゴール、トーキョーのスーパーカブゴール」久々に歌い懐かしさに浸る自分。「東京のバッジオ」背番号10奥原への「We are the Champ」に合わせた「オーレ、オレ、オレ、オレ、オークー!オークー!」は今はルーキー大竹に使われているが、今も昔もファンタジスタに歌われる曲という事で、この日の奥原も昔を彷彿させるしなやかさだ。
 他にも、小池への「ペルー小池」コールなど懐かしさオンパレード。しかし、懐かしいのは歌やコールだけでなく、選手のプレイにも表れていた。
 東京の守護神堀池洋充は、今日もかつてのように素晴らしく俊敏な動きでゴールを守った。その動きは冗談ではなく本当に「現役Jリーガー」な動き。スタジアムに何度も響く堀池コール。そして、サイドバック梅山のタテへの速い上がりも昔のままだ。
 このレジェンズの動きに負けじと、ラモスや相馬が現役時代を彷彿させるプレイで観客も拍手。ラモス、さすがにスピードは年相応だけど、テクニックはまだお金取れる素晴らしさでした。
 試合はレジェンズが、和田の現役当時と同様のポジショニングの巧さから挙げた二得点で前半終了。

 後半はアマラオがレジェンズに入ります。アマラオコールが何度もこだまするスタジアムは、アマラオのゴールを期待するムードに包まれる。しかし、なかなか得点チャンスは作れず、山口に一点を返される。
 これでレジェンズは再びエンジンがかかったのか、昔と同じように部活サッカーと言われた「堅守速攻」のサッカーでゴールを襲い始める。ブランクがあっても、やはり身にしみついたスタイルは簡単には消えないようです。自分はだんだんと、今この場所が「西が丘サッカー場」「江戸川競技場」かと錯覚し始めました。これはアマラオ得点の予感。
 そして、その期待と予感は当たり、若干周りのお膳立てもあり(笑)、アマラオ見事にゴール!サポーターはいつも通りに、ゴール時の定番「東京ブギウギ」を合唱。勢いに乗るレジェンズは監督原博実が満を持して登場。スタンドから大拍手。しかし、ゴール前の絶妙な決定機を胸トラップをミスして、大拍手から一転、サポーターからブーイングを受けるはめに(苦笑)。

 試合は3-2で「TOKYO LEGENDS」が勝利で終わった。両チームの楽しくも意外(?)にも激しいプレイに、スタンドからは惜しみない拍手が贈られる。そして、アマラオの挨拶。
 アマラオはマイクを持ちながら、かつてサポーターが歌っていた「空に太陽がある限り」の替え歌、「アマが東京にいる限り」を歌いながら、ゴール裏へとやってくる。その歌に合わせて、サポーターも一緒に合唱。
 ゴール裏前に設けられたお立ち台に立ったアマラオは、日本語でお礼の挨拶をするも、涙で言葉も途切れがち。サポーターが明るくアマラオをねぎらうべく「泣いてるの?」コールで笑いを誘う。アマラオは笑顔でそれに応え、そしてフェンス前まで足を運び声援に手を振った。

 アマラオはJFL(Jリーグの下に位置するリーグ)でプレイした期間が長かったから、それこそ数百人しかいない小さなスタジアムでもプレイしてきた。都内でのホームゲームでも三桁しか観客がいない試合は珍しくなかった。照明設備のない地方のスタジアムで、真夏のデーゲームで汗を流したりもしてきた。
 今、こんな大きい立派なスタジアムが東京にあり、平均二万人以上の観衆で盛り上がったている。そのスタジアムを「KING AMARAL STADIUM」とサポーターは呼び続ける。

 (文中では、選手名の敬称を略させていただきました)



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