日曜日に行われたFIFAクラブ・ワールドカップの決勝戦、チケットはないけれど、サポーターをスナップしてみようと新横浜にやってきました。そこは「ブラジルか?」と思ってしまうほどたくさんのブラジル人がいました。
スタジアム間にある階段はまるでゴール裏スタンドのごとく、コリンチャンス(南米チャンピオン)のサポーターで埋めつくされています。ブラジルのサンパウロからサポーターが二万人以上やってきたそうで、日本在住のブラジル人も含めて、この日は三万人のサポーターが応援にやってきたそうです。
陽気にサンバを歌い、コリンチャンスのグッズを身につけた日本人を見かけると気さくに声をかけ、対戦相手のチェルシーのユニフォームを着た日本人がいれば、「コリンチャンス!」と指を指して笑顔で煽る。日本人も対抗して「チェルシー!」と返している。笑いながら「お前面白いな」と肩を叩いて笑うコリンチャンスサポーター。平和だ。
彼らは楽しんでいる。中には家を売ったり、車を売ったり、仕事を辞めて来日した人もいるそう。彼らはこう言う。「家も車もまた買えばいい。仕事もまた探せばいい。でも、愛するクラブが世界一になる瞬間を観られるなんてもうないかもしれない」と。
応援に来ている人は老若男女様々だ。
私の近くにコリンチャンスのマフラーを巻いた小さい子供を連れた日本人親子がいた。それを見た隣のおじさんサポーターが笑顔で近寄り、しゃがみながら子供にこう言った。「オー、コリンチャンス!アミーゴ!アリガトウ!」 子供は嬉しそうだ。心と心で会話している。お父さんがサポーターにお礼を言っている。
階段は完全にゴール裏状態になり、歌が次々と歌われる。「バーモ、バモ、コリンチャンス」
帰宅してテレビで試合を観る。テレビから先ほどそばで聴いていた歌が流れてくる。凄い声量で聞こえてくる。選手はその歌に応えて力いっぱい闘い、そして優勝した。コリンチャンスが世界ナンバーワンのサッカークラブになった。コリンチャンスのOBであるサッカー解説者のセルジオ越後氏が新聞にこう書いた。「選手は最後まで全力で走った。疲れてきた時間帯でも、あのサポーターの大声援に背中を押されて走った」
応援は自分が楽しくなるためにするものではない。応援している相手の力になるためにするものである。サッカーに限らず、アイドルにも言える事だと思います。
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