医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

うつ病治療薬、パキシルの効果

2010年01月16日 | 総合
前回、うつ病治療薬パキシルの販売戦略のために、うつ病と診断される人が増加し、無駄な処方も増えてしまったことをお伝えしました。

しかもパキシルに関しては、効果がないということが証明された論文がたくさんあります。

Effectiveness of paroxetine in the treatment of acute major depression in adults: a systematic re-examination of published and unpublished data from randomized trials
CMAJ 2008;178:296
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

この報告は、2006年12月までにパキシルの効果について研究された40の論文について、結果を総合的に再解析したメタアナリシスよばれるものです。

中等度以上のうつ病に対して、パキシルを投与された3,704名と偽薬を投与された2,687名に関して効果が調査されました。

上の図でいうと、中心の横線より縦線が下にあるものはパキシルが効果があると結論された研究です。中心の横線より縦線が上にあるものは偽薬の方が効果があった研究で、中心の横線と縦線が交差しているのはどちらともいえないという結論を出した研究です。

パキシルが効果があると結論された研究はほとんどありません。

この論文の著者たちは、パキシルは中等度から重度のうつ病に対して、偽薬と比較して効果があるといえないと結論づけています。

(原文↓)
Among adults with moderate to severe major depression in the clinical trials we reviewed, paroxetine was not superior to placebo in terms of overall treatment effectiveness and acceptability. These results were not biased by selective inclusion of published studies.

パキシルの添付文書には
「海外で7~18際の大うつ病を対象としたプラセボ対照試験において、有効性が確認できなかったという報告がある。24歳以上の患者で自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが投与群でプラセボ群と比較して高かった」と書かれてあります。

どうしてこんな薬が900億円も市場があるのでしょうか?

↓原文はこちらからどーぞ
http://www.cmaj.ca/cgi/reprint/178/3/296

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1 コメント

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パキシルには強い副作用 (名無し)
2010-03-10 10:47:52
突然のコメントで失礼いたします。

内科からうつ病と診断されパキシルを5年前から飲みはじめました。

いま思えば効果はあったような無かったような、先生に勧められるまま飲んでいました。

実は今は飲んでいません。このパキシルを飲み続けて特に効いているらしいという思いは気のせいだったとわかりました。

飲むのをやめて半年が経った頃、酷い薄毛だった前頭頂部の髪の毛が太くなってきたのです。

パキシルの代わりにいまはドグマチールとエチセダンを飲んで気持ちは落ち着いています。


パキシルの副作用には喉がカラカラに乾くし便秘はするし髪の毛は抜けて生えてきても太くならないし、もう絶対にパキシルはのみません。


パキシルがこんなに強い薬だとは知らされておりませんでした。

問診などしているうちに、それはパキシルによる副作用ですねといわれます。


前もって副作用をいわないのは何故なのでしょうか疑問に思いました。

ただ薬局で頂くときの説明書には書いてありました。

薬は飲んでみないとわからないことが沢山あるんですね。

長々とコメント失礼いたしました。
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