今日、シドのライブを見に行ってきた。
シドは、僕の中ではソフトヴィジュアル系の王道で、
ネオ・ヴィジュアル系の代表格というイメージがある。
ラルク・アン・シエルの弟分バンドというか、
後期ラルクの発展系というか、
もっといえば、ラルク+レトロみたいな感じのバンドだと思っていた。
が、ライブに行ってみてびっくり。
ファン層が明らかにヴィジュアル系ファンじゃない!
一般の女の子が圧倒的で、
いわゆるバンギャらしきファンはほとんどいなかった。
言ってみれば、健康で平和そうな女性ファンがほとんど。
バンドをやってる少年たちもちらほらいたが、
ほとんどが普通の子たちだった。
きっと、コアなファンから一般のファンに移行しつつあるのだろう。
そのせいか、ライブ自体がかなり静か、というか、
行儀よいというか、ノリが普通というか、、、
メンバー自体は、基本的にロック出身なので、
ライブでシャウトをしたり、客をのせようとはしている。
が、ファンの多くは、ライブハウスのライブ感覚を知らない。
きっと多くの人が、ファンというよりは、リスナーなのだろう。
静観している人も結構多かったと思う。
ま、ファンの楽しみ方は色々なので、
それについてはどうこう言うつもりはないし、言うべきではない。
ただ、バンドとして考えると、
とても大変だろうな、と感じてしまうのだ。
これまでの熱心なシドファンに対しては、
それほど難しさはないだろう。
コアなファンへの対応はシド自身が一番知っているだろうから。
でも、一般の新たなファンに、どう向き合っていけばよいのか?
ライブハウス的なノリを、アリーナに求めることはできないし、
また、コアなファンの盛り上がりを他のオーディエンスにも求められない。
僕はこれまで、いわゆるコアなバンド/コアなファン層のライブしか、
主に見てこなかった。
ZI:KILLにしても、デランジェにしても、LADIES ROOMにしても
シドほどのポピュリズムはなかったと思う。
ラルクはブレイクして以来、一度もライブを見てないし、
LUNA SEAだって、メジャーデビューしてからは見てない。
(Glayを見たのなんて、小さなライブハウスのみだし)
僕自身、いわゆるポピュリズムを獲得したバンドを見たことがなかった。
(B'zとか、布袋さんとか、もともとポピュリズムをもったライブは見たけど)
アリーナクラスのバンドのライブは本当に未体験ゾーンだった。
だから、今回のライブを見て、ビッグバンドの難しさを強く感じたのだ。
「一般リスナー」というモンスターと対峙をすることの難しさを。
彼女たちのどれだけの子が10年後にファンでいるんだろう?
きっと数年もしたら、ライブなどには来なくなるんだろうな?!
そんなことを考えると、気持ちがブルーになる。。。
昔のシドを知らないから、何とも言えないけど、
MCとかも、すごく「一般」を意識したものだったように見えた。
つまり、「無難さ」がすごく意識されているように見えた。
シドは、J-POPか、それともJ-ROCKか、
はたまたヴィジュアル系なのか? ただのロックなのか?
ま、シドはシド、それでいいんだろうけど、
何とも言えない「曖昧さ」を感じた。
というか、曖昧にしなければならない事情を強く感じた。
メジャーデビューをして、
バンドが売れて、TVや雑誌に出て、
それなりにファンを獲得して、、、
そこから先がどれだけ大変か、、、
今回のライブを見て、そのことをすごく考えさせられた。
あ、ライブ自体はとても楽しかったです。
歌がとても軽快でメロディアスなので、
最後まで疲れないで聴けたかな。
まおって、結構CDとほとんど同じように歌っていた。
声は抜群にいいなぁ、と思った。
ただ、今回は、V系バンドのポピュリズムについて、
すごくすごく考えさせられました。