7月28日(土曜日)
台風12号が取り舵一杯で関東から東海に進む模様でした。テレビでは隅田川の花火大会の開催について話していましたが、井月庵の気がかりは「そば講座」の実施についてでした。
金曜日の昼にHPを確認しましたが、やらないとも書いてないようなので、取り敢えず千葉に向かいます。ちょうど台風の進路をすり抜ける形です。
朝、5時に車で出発して、途中首都高に入る手前で事故渋滞につかまりました。それでも9時受付開始となっているので、時間の余裕はたっぷりです。(スムースに行けば2時間30分くらい)
会場での台風の影響が最も大になるのが講座の終了時点と予測されたため、会場に近いコインパーキングに7時50分ごろに到着。途中で購入したおにぎりとサンドウィッチを食べて朝食としました。
9時までには1時間ありましたが、会場に行ってみると既に一杯の状況です。朝早いのが苦にならない連中ばっかりです。来る途中のカーラジオからは電車が止まっただの言っていましたが、どこから湧いて来たのかと言う感じです。(おのれもであるが。)
HPにあれだけ写真撮っちゃダメと書いてあったので遠慮してテキストの表紙と目次を載せて置きます。
日大の写真を撮るのも何か気が引けて撮影しませんでした。
テキストの内容はHPからダウンロードできるのでそちらを見て頂ければと思います。
「蕎麦の魅力」の講演の中で、「なぜ蕎麦屋が商売できるのか」。という問いに、「蕎麦切りは誰にでも簡単にできるものではなく、特殊技能が必要なので金を払って外食するのだ」と話されているのが印象に残りました。なるほど、単なる製麺技術だけで考えれば。蕎麦打ちは数回でもそこそこのモノが出来ると思います。でもそれだけでは蕎麦は成立しません。茹では勿論、ツユや種物、什器、みせ(提供方法)が揃っていなくではデメでしょう。むしろ、そっちの方が重要な気がします。
あと、「ルチンは水で練ると変化してゼロになる」と話されていました。でも水で練ってもルチンが豊富な「満天きらり」という韃靼そばの品種を開発したと宣伝がありました。じゃあ、普通の蕎麦はルチンが豊富!と謳っておきながら、結局ゼロなのか?と何やらモヤモヤが・・・・
プロの蕎麦打ちは正に特殊技術という感があり、特別であるが当人には至って普通なそば切りを作ろうという思いの発露の様でした。
長池さんのDVDを既に見ていた井月庵にとっては、手の平で叩き延しをして麺体内部の水分を表面に出し、液状化効果を期待する。手は一番優れた道具である。粗びき蕎麦を細く長く作るためには、何でも使って見ると言う執念の成果と記憶していました。でも会場で長池さんが、麺体をペタペタ叩くと、皆が面白がって手を叩いて笑うのを見ると何やら切なくなりました。でもDVDの会場販売は早々に売り切れていたのが何よりでした。
会津磐梯そば道場の長谷川さんは、今年の1月に行われた佐久間蕎麦まつりで拝見していました。φ40mm位の一本棒で、地延しでは麺棒の加減だけで麺体を回転させる技や叩き延しで丸延しのまま最後に2,3回調整延しをするだけで畳に入るなど、驚きの連続でした。
駒板が独特で枕の高さが35~40mm位あり、角度が付いていました。「包丁を倒して駒板を送る感覚は無い。」と言われていました。1kg打ちでは駒板の天端と包丁が合っていない様に見えましたので、打つ量に応じて畳の高さ(厚さ)が違うため枕の高さが高い(余裕を持たせている。)と解釈しました。
隣の席に座られた「東京そばの会」の方と言葉を交わし、井月庵の疑問等に丁寧にご説明頂き、大変ためになる講座となりました。
戦利品
「たのしいそばうち」の英語版を購入しました。500円
日本語版の英語翻訳ではありませんでした。内容は外国の方にそば打ちを説明するテキストです。
大豆とかブドウとか例えも面白いです。外人さんがそば打ち教室に来たけどどうやって説明しよう?!と悩んでいる方にはいいかもしれません。