今、オリジナルを書きたい、なろうなら最初は連続投稿がいいとか、一行空け
とか、一人称で書いた方がいいとか、ふーむ、で試行錯誤しているんだ。
これは書いてみたけど、一応お試し用のやつで、書き直すつもりだ。
村木順治(むらきじゅんじ)はサラリーマンをやめて、会社を立ち上げようと
したとき不安がなかったといえば嘘がある、最初は不安もあったが、十年、二
十年続けていくとなんとかなるものだとほっとした。
一度、結婚したが、何故か恵まれず、子供をほしがっていた妻のために離婚し
たが、それ以降は仕事に没頭した、そんなときだ、別れた元妻から電話があっ
たのだ。
「あなたって種がないって訳じゃないわよね」
電話の向こうから聞こえてきた元妻の声に順治は、いきなり何を言い出す
のかと驚いた。
「木桜さんって人、覚えてる」
彼女に無亀がいるって知ってたと聞かれて、思わずはあっと聞き返してし
まった。
「子供なんて苦手と言ってたがな」
「それがね、本当は子供がほしくて、複数の男と付き合っていたって」
何故、今頃になって、そんな話がでてきたんだと驚いた。
「ああ、彼女だけど、難産だったらしくて」
言葉が出なかった、亡くなっているなんて、しかも、病気だったという。
「ねえっ、その子」
元妻の言葉に、あり得ないと村木は電話を切ることしかできなかった。
そうだ、友人が探偵みたいなことをやっていなかったか、警察に務めてい
たが、怪我をして元通りに復帰するのは難しいと思ったのか、今は喫茶店のマ
スターをしている、あいつに頼もうと考えた。
報酬ははずむからと言うと必要経費だけでいい、酒をおごれ、暇だからな
と言われて村木はわかったと頷いた。
数日後、友人の報告を受けた村木は、最初のうちは黙ったままだった。
「良子っていう元は男なんだか、今は女 性転換ってやつだ、結構きれいだっ
たな、その女と二人暮らしだ」
「そうか、で、その娘っていうのは」
「普通の女子高生だ、高校は留年、一年、いや、二年か」
勉強ができない、苦手なのかと聞くと入院していたみたいだと言われて村
木は黙りこんだ。
「映画、芝居が好きみたいだ、本屋にも、よく寄り道してるな、一人でい
ることが多いみたいだが、友達がいないわけではないみたいだ」
何がだ、カップに伸ばしかけた手を止めて、村木は相手を見た。
「おまえ、今も芝居や映画、行くんだろう」
仕事でだよと言いかけた自分の前に、これだよと紙袋から数枚の写真を取
り出した。
盗み撮りの写真なので画質はよくない、光のせいだろうか茶色っぽい髪は肩の
辺りまでしかない。
最近の高校生なのでメイクでもしているのではないかと思ったが、思わ
ず、もっと、きれいに撮れなかったのかと言いかけて視線をそらした。