早い梅雨明けで身を焼くような暑い日が続いています。
下田では産卵期の脂の乗った金目鯛を食べてもらおうという「下田きんめ祭り」も6月いっぱいで
終わりを迎え、下田がオススメする次なる旬の食材はと言いますと。。。到来！貝の季節です！
6月最後の日に下田の外浦海岸で遅れていた今年最初の貝の口開けがありました。
＊口開け＝山や磯の共有資源の利用の禁を解く日のこと。
下田に生まれ育った男なら荒磯でアワビの一枚や二枚獲れて当然！なんて思っているのは年輩の方々で、
今では寂しいことに地元の子供でも貝の捕り方や潜り方も覚えずに大人になります。
昔なら海中メガネとノミを片手に意気揚々と磯に通った地元の子供たちも、この頃ではサーフボードやボディボードを抱えて砂浜に・・・。
地元から世界的なプロサーファーを輩出することも素晴らしいのですが。
けれど同じ下田でも漁師の風が色濃く残るこの辺りでは、当たり前に深い海に潜って
獲物を捕まえてくるワイルドな男が多く残っています。
そう言えば小学生の時、お腹が空いたのか捕ったアワビに泳ぎながらかぶり付いている子がいましたが、そんなワイルドな子供は今でもいるでしょうか。。。
下田に住んでいれば自然と地元の魚介が食卓に上ることも珍しくありません。
漁師の子供の弁当にはアワビやトコブシの煮つけがおかずとして何度も登場していたり。
本人は飽き飽きしていましたが、なんと言う贅沢でしょう！？
それでは下田に住んでいれば誰でも好き勝手に海で貝を捕っていいかといいますと、
ご存知のとおり漁業権というものがあり、勝手に海に潜って磯ものなどを獲ることは法律で禁止されています。
漁師ではなくても漁業権を持っていて潜る方もいます。ローカルですね。
漁業権を持っていれば自ら海で美味しい磯ものを手にすることは出来ます。（決められた日に）
けれどそれは一年を通して海の管理をするという義務も含まれているそうです。
海の幸が途絶えないよう資源確保をしてその恩恵を海から少しずつ頂くという事なんですね。
そんな大切な海の恩恵の中でも5月頃～８月頃までに何度かある口開けに獲られるこの時期の貝は、
今までにたっぷりと海草を食べ、身を太らせ、甘みがあり、最高の味です！
写真は外浦海岸にある「瀬の磯」と言う伊豆急下田駅から車で東に海岸線を6～7分走らせた海の色と静けさが印象的な場所です。
一体は近くに須崎の御用邸（皇室の別荘）があるため特に大切に保護された自然の美しい所です。
この地域だけに自生する珍しい植物や海の生き物を生物学者でもあった昭和天皇は心から愛されたそうです。
もちろん下田の飲食店で食べることの出来るサザエやアワビは外浦海岸だけのものではありません。
このような場所が下田周辺に点在しています。
捕りたてのアワビをその日の内にお刺身で頂きました！しっとりとコリコリを両方味わえる感激の味です！
こちらはサザエ。ブリッとまるまる太ったサザエはぶつ切りにして天麩羅も最高！
サザエとアワビの美味しい食べ方は沢山あります。
サザエなら定番の壷焼きは醤油の焦げた香ばしさがたまりません！
同じ壷焼きでもパン粉をのせてガーリックバター風味にしても美味！
お刺身、掻き揚げ、炊き込みご飯、生姜の風味を効かせた甘酢漬けなんていう食べ方も。
でもせっかく下田に来たのなら、シンプルな食べ方をオススメしたいです。
まずはダイレクトに貝の歯応えや磯の香りを楽しんでください。
今が旬のサザエとアワビ。
ぜひ「下田の美味しい」を楽しみにいらして下さい！
