テレビでしか見たことのないことの一つ。「ウミガメの産卵」、「ウミガメの赤ちゃんが海に向かう姿」。
目と鼻の先の海にウミガメが産卵に来ているというのに、下田に住んでいても画面を通してしか見たことがありません。
ウミガメが涙を流しながら(本当は涙じゃないそうですが)産卵をしている姿、ピンポン玉みたいな卵、いっせいに砂から飛び出して海に向かうウミガメの赤ちゃん。。
もしかしたら6月に産卵した卵がかえるかも?という知らせを聞き、ウミガメの卵の孵化観察会に参加してきました。
場所は吉佐美大浜の真横の浜、19時の舞磯浜です。
産卵ポイントは3箇所ありました。
案内してくれるのは下田で多くの自然を学ばせてくれる「さいとうスクール」の齋藤先生、ウミガメのことを教えてくれるのは海中水族館の方です。
砂を掘って卵の様子を見てみると。。。
残念!まだ完全に卵のままでした。。
ウミガメの卵は約50日で孵化にむかうそうですが、長いと90日ももぐっていた卵もあるそうです。
孵化に向かうため卵が動き出すのは砂の温度が下がった夕方から翌朝の日の出ごろまで。
砂の温度が高い時は動きが止まっているので、もうほとんど海岸の表面まで出てきているのに止まってしまった赤ちゃんカメがそのまま干からびてしまうこともあるとか。。
卵から生まれた赤ちゃんが砂の中でいっせいにバタバタすることで頭上の砂が落ち下がり、それを繰り返して表面に出てくるのでクモの子を散らしたようにワーっと赤ちゃんカメが砂浜に現れるとか。誕生直後にチームプレーですね。^^
ビックリしたのはオスとメスの違いが決まるのは29度という温度! 産卵後、あるポイント時に卵を包む砂が29度より低いとオスになり、高いとメスが生まれるとのこと。冷夏の年はほとんどオスなのだそうです。産卵時には性別が定まってないなんて知りませんでした。。
ほかの動物と違ってアカウミガメは恐竜が生きていた頃からほとんど姿が変わっていない生き物なのだそう。。
大昔から進化する必要のなかった完全な形だということでしょうか。。
人間が環境を荒らしてしまった現代でも変わらず子孫を残しに下田の浜に来てくれます。
下田の孵化率は60%くらいだとか。九州などもっと南の地域で高くても70%台だというのでまずまずではないでしょうか。
アカウミガメはほぼ日本でしか産卵しないらしいのです。
新島や韓国でも産卵したこともあるそうですが韓国でも毎年ではないそうで、新島に至ってはたったの1回の出来事!
つまり日本の浜が汚れてアカウミガメが上がって来なくなったら絶滅に向かうということ!
いつまでもアカウミガメが産卵しやすい美しい浜を維持していかなければいけませんね。。
今回はウミガメの赤ちゃんに会えませんでしたが次回のチャンスに期待します!
いつか会いたいウミガメの赤ちゃん♪