白秋ながや文庫

日々の徒然。

くすのき~ by shimonsei

2008年01月03日 | インポート
くすのき(九州の気)                              


楠木を見つけると立ち止まる。
たまにしめ縄をつけた楠木もある。
近くに寄って、そっと手のひらを当ててみると、幼い日の柳河の思い出がよみがえる。
 庭先にあったくすのき、近くの神社にもあったくすのき。
楠木は風を呼び、幽玄の時にさぶらう。
青春に 揚げひばりの歌を聴き。
朱夏に わしわし蝉をじっと見つめ。
白秋に 黄金輝く豊穣の海のさざなみに酔い。
玄冬に とぜんなくザワザワと青く蒼く
風を呼び幽玄の時にさぶらう。
くすのきは九州の気なのだ。

なぜか~九月の窓

2008年01月03日 | インポート
  九月の窓       by shimonsei
 はるか千キロの先
高層の空一杯に切り開かれた空。
雲は走る。走る。うねりながら・・・。
人はイバラの道を走りぬけた時、痛みに耐え、涙を流し、真っ赤に染まった足元の影に嘆く。
・・・そして空を仰ぎ進む。
やがて、かさぶたが、何も無かったようにはがれおちる。
彼岸前、四角い高層の切り取られた空間に、大きな虹を見た。
そっと胸に手をあて静かに目を閉じる。
空間の先には、
かさぶたのような、まばたきする虹がかかった。大きな虹が・・・。
そして、空は、青く広く、。
九月の窓には、私の影が、かすかに映り、
此岸の荒野が又、遠くへと続いて行く