～いにしえの越後路“銀山街道”走破!!～
久々の単独行です…とうとう東北から飛び出してしまいました
とは言っても、福島～新潟県境ですので、私的には普通に東北エリアですが…
さて、今回（9/14）訪れた銀山街道…2年ほど前から密かに温めていた計画です。
新潟県は魚沼市･奥只見ダムの南側、越後駒ヶ岳の麓に位置する古道です
元々、小出島から銀鉱石の産地である銀山平までの道で、寛永18年（1641）に発見された上田銀山の採掘に伴って整備された道だそうです。
さらに険しい山道を会津の沼田街道に抜けて関東方面へ行く事も出来た様で、古くは尾瀬三郎（藤原頼国）が平清盛と恋敵となり、敗れて京を追われた際に越後より入山した道とも言われています。
会津藩との争奪戦に勝った高田藩が整備に努め、銀山八宿（小出島・芋川・大湯・坂本・大明神・村杉・桾沢・須原口）と呼ばれる宿が整備されました。銀山平には陣屋、番所、宿場、精錬所、問屋、寺院、神社等が置かれ、最盛期には1000軒もの鉱山町になりましたが、昭和37年（1962）、奥只見発電所の竣工によって銀山平は湖の底に沈んでしまっている…と言う「銀の道」…今回も歴史のロマンを肌で感じる峠行となりました
今回は、下りの距離が長く取れる西側を後にまわす石抱スタートのルートを設定しました。まずは、アプローチ路の国道をHC11㎞、そして6㎞のDHをこなし（この時点で1時間半も走っているので、既に余す体力少なしです）古道の入り口へ到着、そしてスタートを切りました
二合目までは平坦なダブトラで、軽やかに進みます
…が、その先でいきなりの土砂崩れ…しょっぱなから難儀しました
三合目を過ぎると勾配もキツくなり、乗車率はほぼ0％の修行に…
あまり人も入っていない様で、クモの巣がもの凄いです
突如現れる人工物…バランスを崩したら危険な箇所です
スタミナ切れな上、高い湿度と気温で全身汗でビッショリ…不快指数もMAXです
これぞ古道!!…苔むした岩に切通しの小道、そして“し”の字に伸びる森の木々
今回の装備は半日用のお手軽バージョンで、荷物はヒップバッグです
昔はあったのかもしれませんが、辺りには湧き水等いっさい無し…
時折り視界に入る、雲間から見え隠れする日本百名山の名峰“越後･駒ヶ岳”
もう体力のピークは当に過ぎていましたが、マイペースで歩を進めます
そんな疲れた心身に、一本に延びる木道が一瞬の安らぎを与えてくれたりします
そして、やっとの思いで辿り着いた十合目の“明神峠”（標高1,238m、結構な標高です!）…古道入り口スタートから丁度4㎞、要した時間は1時間と20分（一人ですとのんびりペースながら殆ど無休憩ですので）…思ったより早く登りつめる事が出来ました無事の下山をお祈りしようと、扉を開けお参りするも…何か住んでそうな、居そうな、ハタマタ出て来そうな、もののけ的な気配がムンムンしており、休憩もそこそこにそそくさとその場をあとにしました
さて、後半は（多少UP&DOWNはあるものの）下るのみです
暫くは、荒れた岩場と急勾配のため段差が多く、慎重に下って行きます
このコースは、どちら側からも一～十合目の道標があり、とても目安になります
長く使い込んだ可変式ピラーが不調、サドルがあっち向いたりこっち向いたり…
7月の大雨で集中豪雨に遭った地域ですので、この様な崩落箇所が多数あり、幾度も難儀しました
因みに左上、木立の更に左側の崖の様なところが下山して来た道です
たまには最盛期を偲ばせる往時のままであろう道･景色とも良い場所があります
クモの巣や、ぶら下がり系虫の糸に絡まれること数十回…不快指数200％
仙台は曇りだったようですが、天候には恵まれましたので、安心の峠行でした
少しでも歩こうものなら、蚊･ブユ･アブ･蜂がブンブンブンブン騒がしいの何の
多数の崩落箇所や倒木等を乗り越えた、5㎞に及ぶ長い下りも終盤…いよいよゴールはもう、すぐ目の前です
スタートから4時間（古道入り口から2時間半･距離：9㎞）全行程約30㎞の旅が終わりました
日の当たる入り口は背丈ほどの雑草だらけで、道が消えてしまいそうでした
下調べでは古道部12㎞とあり、もう少し時間を要すかと思いましたが…予想より早くゴールする事が出来ました（距離は押し･担ぎが多いため今ひとつ不正確です）。
峠行には少々早い季節の為、不快指数が高く、違う意味で難儀した旅でした
これまで走破して来た古道の中でのレベル的には“中の上”…と言った感じでしょうか
今回は、事前調査の意味も込めた峠行でした。
晩秋の頃であれば、またイメージも変わるかもしれませんが、皆さんをお連れするには登りがキツ過ぎるかなぁ…と言う印象が強く残りました。
でも、いつなんどきでも、山や峠や旧街道は、とても良い夢を与えてくれます
真夜中に出発して来たおかげで（結局この日車で走った距離は840㎞!!）時間には余裕がありました。なので、たまにはの～んびり地元の食堂で昼食を摂る事にしました。
古民家風の“いろり・じねん”さんで、冷そばセットを堪能…「遠くからよく来てくれたね～」との事で、サービスでデザートやら何やら、いろいろとご馳走になりました
帰路は勿論『いいたび夢気分』状態で（笑）、日付が変わるはるか前に帰宅する事が出来ました
