『ゆく人 くる人』ゆく人とは旅人なり・・・SEKICYCLE・M店長のブログ

vol.1710 今シーズンお初の古道ツーリング

~そこには、桃源郷が存在しました…!!~


出羽の古道、千年の路=六十里越街道=
数年前より温めていた密かなる想い…月山~湯殿山の麓、現在の月山道・旧国道112号線と平行して走る“六十里越街道”走破の夢…
1,200年も前に開かれたと伝えられる、山形県は鶴岡から山形へ至る険しい山岳の古道です(個人的に大好きな南会津“八十里越”と平行するそれとは同名異道です)。
大勢の行者や旅人が行き交い踏みしめられた道は、新道が開通する明治30年代になり表舞台から退くも、今もなお時代の名残をとどめる数多くの史跡が苔むしヒッソリと眠るたいへん歴史の長い由緒ある古道です

7月某日、天気:快晴・最高気温:30℃…山の神様に呼ばれたU隊員とM隊員…戦国自営隊の再結成の時が今年もやって来ました
計画決行が決定したのがあまりにも直前でしたので、以前にお声掛けしていましたA&Yさん…今回は先走ってしまいすみませんでしたm(_ _)m。

ブナに囲まれた神聖なる古道に足を踏み入れると…すぐに古道お約束の沢渡り

この六十里越街道…古道部分が色濃く残る区間が西川町~鶴岡は櫛引町までの40㎞区間です。
これまでの古道経験より、今回山道だけでこの距離の全線走破は困難か…と言う事で、U隊員と相談の上、スタート位置を月山志津温泉へ設定しました。
まず車1台をゴール地近くの旧あさひ村役場前無料Pへデポし、スタートへもう1台で移動…車の機動性をフルにいかした行程としました。
前もってかなり参考になる資料を入手していた今回でしたが…古道入り口をなかなか発見できず…旧R112をUPがてらに12㎞も走ってしまいました

このあと、ようやく見つけた入り口でしたが…やはり案内板が倒れており、分かりにくくなっていたのでありました

そしてまず視界に入ったのが一番上のブナ森の画像です
そして、いきなり押しになり、沢渡りあり、ガレ場あり、それはそれはもう古道ムード満点…時折見せる月山の頂から吹き降ろす風が、その暑さを紛らしてくれます

“焼山尾根”と呼ばれる場所へ到着すると一気に視界が開け残雪が
遥か遠くには、朝日連峰も確認できました…まさしく心が洗濯されるひと時です

スタート(標高710m)から2時間弱で一つ目の峠“大岫峠(標高1140m)”に到着しました
ここ最近まともな運動をしていない私は、この日ここで既にバテバテ状態…

そこから少し下って間もなく、登り返しの様な峠“二ノ峠”へ。

待ちに待った下りですが想像よりガレており、乗ったり押したりの繰り返し…

雨池では木からぶら下がるサンショウウオの卵群を見つけたり…

なおもハードなDHが続き、菅谷地を越え…

不思議な趣のある、龍ヶ池を左手に望み…

この場で実際に即身仏になった修行僧もあったと伝わる湯殿山碑にて
霊感の全く無い二人には何も見えませんでしたが…なんとなく何かが漂う気配が

そして次の峠へ登る前の窪地“梵字川一本橋”へ…遥か下方に川が流れてます

要所要所に親切な案内板があります…が、後々分かりにくいポイントも

ゆかりの人物の一人である斎藤茂吉の歌が彫られた石碑が何点も存在します。

前半部分では少ない水場のひとつ…シトシトと沸き出ずる…といった感じです。

思った以上に楽な押しで、ふたつ目の大きなピーク“細越峠(標高900m)”へ到着しました。このあと、ここより高い標高地点が無い事から嬉しさのあまり、久々のフュージョン

細越峠から田麦俣まで、標高差560m・約6㎞ものオール乗車可能な快適シングルトラックが続く、ゴキゲンな区間“花の木坂”…断言できます。ここら辺が、この六十里越のハイライトです

この行程で唯一、人と擦れ違ったのがこの区間でした(古道作業員のオジ様お二人連れ)。
暫し立ち止まり談笑…「人が歩かないと道が消えてしまうから、ドンドン歩いて…いや、走ってもらってかまわないよッ!!」と嬉しいお言葉を頂きました

その長~~~~いDHも終了…田麦俣側入り口に飛び出ました

多層民家で有名な田麦俣です。民家であり資料館でもあります…

このあと旧R112を進み、月山新道へ至った後は給水ポイントもなくなる為、ドライブインで美味しい蕎麦を堪能し、水分もバッチリ補充してリスタートしました

田園を望むのどかなダブトラから、やがてまた古道らしいシングルへ…思ったより楽に3番目のピーク“賽の神峠(標高510m)へ到着しました。
暑さもピークを迎え、猛烈に汗が吹き出ました

やがてシングルの下りはジープへと変貌し、時折り舗装路も交えながら“大日坊”へ到着しました。
参拝していると中から住職の方が出て来て「即身仏が祀ってあるからお参りしていかんが~…」とお言葉を頂きましたが、とても壇上へ上がれる様なキレイな格好ではあらず、丁重にお断りさせて頂きました
「自転車で六十里越街道を越えて来ました!!」と言ってもなかなか信じてもらえないのが心残りでした

大日坊からは暫く舗装路が続きます

舗装ながら結構起伏のあるUP&DOWNを繰り返し、ようやく注連寺へ到着

こちらが本堂ですが、上も下の画像の石段も立派に古道の一部です

この注連寺と先ほどの大日坊には、往時は茶屋があったらしいです

そしてまた古道らしいシングルへと戻り、最後の峠へ向います

最後の峠にして結構な勾配の長い登りを行き着くと“十王峠(標高500m)”でした

十王峠からはシングル・ダブトラ・ジープの織り交ざった古道です

長い長~い下りも、やがて終盤に差し掛かり見えて来たのは、櫛引町ののどかな街並みでした。U隊員の哀愁漂う後姿と…

やがて集落に入り、オフロードの古道区間はほぼ終了です@松根宿。

舗装路を北へ、そして最終オフロード(ジープ)を抜けると…ゴール地点の“弘法の渡し”へ到着しました

湯殿参拝路の入り口であり、伝説が残るこの地…ここに弘法大師が祀られているそうです。

走行距離:36㎞(うちオフロード区間33㎞)・所要時間:8時間(休憩含む)+車デポ地への舗装路区間7㎞&スタート前間違い舗装路区間12㎞…の壮大なるスケールの半日旅行でした

これまで多くの古道を走って来ましたが、ここまで長い距離で現存する古道が(しかもこんな近くに!!)あるとは思いもしませんでした。
地域的にご神仏や参拝路の色が濃く残っており…それもまた善きかな…六十里越独自の趣から旅情気分にドップリ浸る事ができ、気分はまさしく“峠の旅人”でした

秋には始めにパスした西川~弓張区間を含めた全線(40㎞)走破を計画中です

こちらはまだ元気なスタート前の画像です
どちらの古道もそうですが、基本的に人里離れた山道であり、アブやブユ・蚊等の虫は勿論、熊(とは遭遇しませんでしたが)やヘビ(は何匹も見かけました)も普通に暮らしている山中です
入山の際は綿密な計画と多目の水分や食料、そしてそれなりの覚悟と装備が必要となります。
入山の際は、くれぐれも無理のないよう、ゆとりある行程で進みましょう
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