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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

クルリンポイ(大一、権利物)

2012-11-16 01:47:14 | 権利モノ

1993年(平成5年)に大一から登場した1回権利物「クルリンポイ」

★賞球:6&13

★平均出玉:700個(最大16ラウンド継続)

 

当時、「リスキー2」「キャロル3」など一発台系の権利物、そして「ダイナマイト」「ラッキーボーイ」といった爆裂権利物で人気を博した大一。だが、新機種として登場させたのは、意外にも「遊べる系」の権利物だった。 

本機はマイナー機の部類に入るが、ポスト一発台やデジタル権利物とは一味違ったゲーム性が、一部ファンに好評だった。関東圏よりも、愛知以西で多く導入された機種でもある。

関東エリアでも、埼玉・川口駅の産業道路沿い「壱番館」(閉店)などには、早くから設置された(2.5円交換、無制限)。

 

(ゲーム性)

天下に電チュー、電チュー下に6穴回転体、回転体下のヘソにスタートチャッカー(スルー式)、左右オトシにGOチャッカー、GOチャッカーの間にメインアタッカーが、それぞれ存在する。

ヘソのスタートチャッカーを玉が通過すると、天下の電チューが0.4秒開放する。電チューに拾われた玉は、その下の通過(GO)チャッカーから6穴回転体(垂直型)に入賞。回転体のV穴入賞で権利発生となる。ここでの振り分け率は、純粋に1/6である。

(6穴回転体…「V」と書かれた部分が権利穴になっている。)

 

権利発生後は、左右オトシのGOチャッカー入賞で、下段メインアタッカーが開放。10カウント&最大16回まで継続する。特に右打ちする必要はない。

但し、GOチャッカー入賞の度にラウンドが次々に進む為(ラウンドロス)、その分出玉は減ってしまう。これが本機の大きな特徴でもあり、三洋「ニューヨーク」以降の回転体を使った権利物と、大きく異なる点である。

また、権利消化中に再度電チューに入賞し、V穴に玉が入ると、その時点で権利は消滅(パンク)する。後に同社から出た権利物「タートルリーグ2」「パオパオサーカス」も、やはりパンクが発生し易いゲーム性になっていた。

 

このようなゲーム性の為、出玉はかなり不安定で、即パンやラウンド減りなどを加味すると、1回権利当りの平均出玉は約700個と少ない。

ヘソのスタートチャッカーが甘ければ、電チュー開放の機会が増え、V穴入賞のチャンスも拡がる。しかし、電チューがよく開くという事は、同時に権利中のパンクも増える事になる。

これはオトシのGOチャッカーも同じで、オトシの釘が甘いと、スムーズに権利を消化出来る一方、あまり甘すぎるとラウンドが次々と進んでしまい、出玉減の要因ともなる。まさに、チャンスとピンチが表裏一体のゲーム性になっていた。

なお、ホールによっては盤面の左右で釘調整を変え、通常時は左打ちで権利を獲得し、権利発生後は右打ちでパンクしにくい調整にするところもあった。

 

本機は、いわゆる「旧要件期」以前の権利物に近い性格を持つ。他の新要件権利物と違い、権利が発生したからといって、一気にまとまった出玉獲得とはならないのだ。地道にV入賞を重ね、パンクやラウンド減少というハンデを克服しながら、出玉をジリジリと増やしていく。

すなわち、「ハネモノ」や「普通機」のような、マッタリとしたゲーム性を備えていた。そういう意味では、パチンコ本来の魅力に溢れた、平成初期の隠れた名機といえる。本機を長年置き続けた「みなし機設置店」も、全国各所に点在した(大阪・新世界「大栄ホール」など)。