(C)YAMASA
2000年(平成12年)3月に山佐から登場したAタイプ4号機「アラベスクR」
(赤7中段揃い…青7より、赤7を揃える方が個人的に好きだった。ファンファーレも赤7が好み。)
(ボーナス確率など)
Big Bonus
設定1 1/292.6
設定2 1/277.7
設定3 1/264.3
設定4 1/252.1
設定5 1/240.9
設定6 1/240.9
Reg Bonus
設定1 1/655.4
設定2 1/606.8
設定3 1/565.0
設定4 1/528.5
設定5 1/481.9
設定6 1/364.1
小役確率
(通常時)
・ベル(8枚)…1/9.990(設定6)~1/10.923(設定1)※設定差アリ
・チェリー(2枚or4枚※)…1/11.703
※チェリーフラグは1種類のみ。左第一停止時は、テーブル制御で成立ラインを振り分ける。
その他の押し順だと、全て「2枚チェリー」となる。
・スイカ(15枚)…1/163.84
・リプレイ…1/7.298
(ビッグ中)
・ベル(8枚)…1/1.862
・スイカ(15枚)…1/18.204
・チェリー(2枚のみ)…1/512.00
・JAC・IN・・・1/3.641
(ゲーム性)
当時、山佐が力を入れていた「テトラリール」(4thリール)を搭載。
(シーマスターX、おいちょカバ、コングダムに次ぐテトラ第4弾)
従来のテトラ各機とは異なり、メインリール右横のテトラリールが毎ゲーム作動する。メインリール停止後に、テトラの上・中・下段にもボーナスや小役の図柄が停止して、出目を表示する。
その為、メインリール3本のオーソドックスなリーチ目(メイン3)に加えて、メイン3本&テトラの計4本を使ったリーチ目(4リール)、さらに中・右&テトラの3本が作る出目(エクストラ3)という具合に、パターンは非常に多彩であった。メイン3のリーチ目だけでも、1800種類を超えるといわれた。
また、メインリールがハズレ濃厚目でも、エクストラ3で「左チェリー付きボーナスハサミ目」や「色違い7の一直線」「小役揃い」などが出ている事もあり、意外な形での「入り」にハッとすることも。さらに、リールのスベリ(左4コマスベリなど)によるボーナス察知の機会も少なくなかった。
(「メイン3」のリーチ目:例)
(色違い7の一直線) (左チェリー付き・ボーナスハサミ目)
(BARのダイヤモンド型) (左上段赤7⇒中BARリプBAR⇒右上段赤7)※リプハズレ目でもある
(「4リール」のリーチ目:例)
(スイカの一直線=ストレート) (ベルのバウンド)
(ベルの小ジグザグ) (リプレイの大ジグザグ)
(「エクストラ3」のリーチ目:例)
(チェリー付・赤7中段揃い) (チェリー付・青7右下がり揃い)
(チェリー付・ボーナスハサミ目) (リプレイ揃い…通称「滑り台」)
こうしたリーチ目のみならず、従来機同様に、演出面でも本機のテトラは大活躍した。小役ナビ、ジーニーチャンス、ハイパーテトラアクション(HTA)など、テトラによるチャンス演出が適度に出現して、飽きの来ない作りに仕上がっていた。
★小役ナビ
レバー音が通常と異なると(ピュロンッ)、テトラが小役図柄で一旦停止して、成立役をナビする。ナビした小役が外れると、ボーナス確定。
好調時はベルナビやリプレイナビがスカッと外れるが、逆に、スイカナビが延々ハズれない展開も。
なお、チェリー時はテトラが停止せず、レバー音のみでナビを行う(テトラにチェリー絵柄はない)。よって、「レバー音変化⇒テトラ一旦停止せず⇒左チェリー否定」なら、その時点で一確(但し、制御でチェリーの引き込みが悪い箇所アリ)。
チェリーナビ以外にも、「ベルナビ」で左に「スイカBARスイカ」(スイカハズレ目)が出て一確になったり、「リプレイナビ」でハサミ打って、「ベルハズレ目」で二確になったりと、様々なリール停止タイミングでボーナスを察知できた。
★ジーニーチャンス
通常、テトラは第3リール停止後に止まるが(例外アリ)、レバーオン後、第1リール停止前にテトラが止まるとチャンス。テトラに出現した「魔法のランプ」と「煙」が、第2停止時にそのまま消えずに残れば、小役以上が確定する。第3停止時に「魔人ジーニー」の全身が現れると、ボーナス確定。確定時には、リールの派手なフラッシュと共に、ジーニーが「ワッハッハッハ」と高笑いする。フラッシュと笑い声の組み合わせには複数のパターンがあり、ビッグ確定となるレアパターンも存在。
★ハイパーテトラアクション(HTA)…「エクストラ3」の左・中リール(メインの中・右リール)で、「同色ボーナス図柄」がテンパイすると発展のチャンス。テトラが派手なアクションを見せた後に停止する。小役ナビからHTAに発展する場合もある。
HTAには、(1)「アースクエイク」(テトラがブルブル震えながら動いた後に停止)、(2)「ステップアクション」(テトラがコマ送りで進んで停止)、(3)「スーパーレブ」(テトラが超・高速で回転した後、ビタっと停止)、(4)「セブンルーレット」(テトラに3連の白7が出現、ルーレットの要領で上から順にランプ点灯を繰り返す)の4種類がある。いずれも、最後にエクストラ3で同一図柄が3つ並べば、演出成功=ボーナス確定となる。
★その他の演出
・テトラが第1停止時or第2停止時に止まると(テトラ停止音も変化)、小役以上が確定。
・テトラの通常停止パターン(第3停止時)には、即止まりの「ショート」と、しばらく回ってから止まる「ロング」の2種類がある。ロングの方が期待度は高く、ボーナス確定後はロング出現率がアップ。
・ジーニーチャンスやHTA等の演出成功後、テトラ上の「LEDランプ」が3つ光ってボーナスを告知。
・レアだが、何の演出も発生せず、いきなりLEDランプのみ光る告知パターンもある。
・第1停止時、派手な効果音と共に、テトラに「虹色の3連7」がズドンと止まれば、ビッグ確定。
などなど…
その他、白色LEDを使ったバックライトによるリール視認性の向上、PCMステレオ音源による高音質サウンドの実現など、メインのゲーム性以外にも特筆すべき点が多々あった。特に、ビッグ中のBGMやJAC中のアラブ調サウンドは秀逸で、JACサウンドをフルコーラスで聴く為に、わざわざジャックゲームをゆっくり消化する事もあった。
(リーチ目)
※リーチ目に関しては、当時の記憶に基くものも多く、記載ミスも少なからずあるかもしれない。その際は、適宜ご指摘を頂ければ幸いである。
山佐の十八番ともいえる、多彩なリーチ目をウリにしていた本機。テトラとの絡みも含めて、中身を知れば知るほど、その出目パターンの奥深さに感心させられた。
ただ、私はいわゆる「リーチ目マニア」ではない。実戦時には、いかに効率よく小役をこぼさず、早く回せるかを基準にしており、特定の1か所を狙い打つ事が多かった。
もちろん、ある時は逆押しで「ゲチェナ」を狙うような、変則打ちでの楽しみもあった。しかし、左リールを最初に押さない場合は、制御でチェリーが必ず「2枚」になってしまう為、変則押しはコイン持ちの面で欠点があった。
一方で、本機は左リールを第一停止させる限り、順押しでもハサミ打ちでも、各リールのテーブル制御は同じである。つまり、個人の好み、或いはその時の演出などに応じて、どちらから押すのも「アリ」だった。
私がアラベでよく実戦したのは、左上段に「チェリー下の赤7」をビタで狙い、左⇒右と打つ「ハサミ打ち」手順である。
この箇所を狙ってハサミ打つと、チェリー成立時は2枚(中段)・4枚(上・下段)ともにカバーできる。また、中リールで取りこぼしのあるスイカ成立時は、左のスイカが必ず大きくスベってくるので、ハサミ打った瞬間に一旦手を止めて、中リールにスイカを狙う余裕が出来た。回転数を稼げて、かつ小役もカバーし易い手順として、「枠上チェリー付赤7」を上段に狙うハサミ打ちは、実に好都合だった。
しかも、左を押した瞬間に「一確」となったり、ハサミ打って「二確」に昇格したり、中リール停止時までドキドキ感が継続したり、テトラ演出を最後まで堪能したり…という具合に、この形から楽しめるポイントはかなり多かった。
全てのパターンを網羅する事は不可能だが、今回は、「左上段赤7」狙いでアツくなれた出目を、演出と絡めつつ幾つか紹介したい。
(1)
(条件…チェリーナビorスイカナビ発生)
この形は、ハズレ時に当たり前のように止まるが、小役ナビとの絡みで「一確」となる場合もあった。スイカナビやチェリーナビで、左がこの形でビタ止まれば、チェリー・スイカの双方を否定しているので、1確目となる。
(2)
いわずもがなの「ゲチェナ」=ハサミ2確目。この形が降臨した瞬間、分かっていても頬が緩む。
(3)
赤7を左上段にキッチリ狙っても、目押しミスで赤7が「枠上」でビタ止まる事がある。だが、この時こそ、「左枠上・赤7ビタ停止」からの小役ハズレという、「ボーナス成立ゲーム限定のリーチ目」(2確目)を拝めるチャンスだ。
この形が、なぜ「成立ゲーム限定」なのか…それは、本機の制御では、ボーナス成立後であれば、小役非成立ゲームは、必ず「左リールにボーナス図柄を引き込む」からである。
BR成立後に、左「ベル・リプ・スイカ」(枠上チェリー)をビタ押すと、ズルリと4コマスベって「リプ・スイカ・青7」の形が降臨するのも、こうした引き込み制御によるものだ。
ベル上の赤7が左の枠上にビタ停止した時は、「小役揃い」又は「小役ハズレ鉄板目」の2択となるが、ボーナスが「非成立」なら必ず小役が揃うし、「成立後」もやはり小役が揃う(左にボーナス図柄がない=ボーナス成立後なら小役成立ゲームでしか止まらない形)。
即ち、左リールが上の形(枠上赤7ビタ)で停止した時、「ボーナス成立」かつ「小役が揃わない」という2条件を満たすのは、ボーナス成立ゲームのテーブル制御に限られる。よって、枠上赤7ビタからのハサミ小役ハズレは、問答無用の「2確」となる。
(4)
同じ目押しミスでも、コチラは嬉しさと悔しさが交錯する目。ハサミ打ち時、上の形でリプレイが中段テンパイすると、「中段リプレイ揃い」が確定する。この形のリプレイは鉄板なので、「ハサミ2確目」となるが、同時にボーナス成立ゲームを見逃してもいる。ヒキの強さを喜ぶべきか、己の不注意を反省すべきか…難しい所ではある。
(5)
テトラに「上段青7・下段赤7」の形が出た場合は、チェリー、スイカ、ボーナスの何れかが成立。よって、左リールが上の形でビタ止まりした時、テトラが「青7&赤7」なら、左リール「1確」となる。また、第3停止後にテトラが止まっても、「青7&赤7」がテトラに出てメインリールが「ハズレ目」(取りこぼしなしが条件)なら、やはりボーナスが確定する。
(6)-1 (6)-2
(6)-3 (6)-4
これら4つの形は、いずれも中リールが「小役(リプレイ)ハズレ」でリーチ目となるパターン。大抵は小役が揃うが、たまにハズれると気持ち良い。小役ナビとの絡みでいえば、(6)-2は「リプレイナビ」、(6)-4は「ベルナビ」なら、それぞれ2確となる。
ただ、生入りでは勿体ないので、赤7テンパイ時は、あえて中リールに赤7以外を狙ったりした。3枚のコインロスと生入りのショックを天秤にかければ、たった60円の出費など痛くもかゆくもない。
また、(6)-4の「赤7の上段ハサミテンパイ」は、右リール枠上が「チェリー」ならば「下段リプレイハズレ目」となるが、右枠上が「ベル」だと、たとえリプハズレでも入り目とならない。見かけは同じでも、出目の持つ意味合いは全く異なる。
(7)
(条件…ジーニーチャンス時、第2停止で演出継続)
レバーオン後、ランプと煙がテトラに出現する「ジーニーチャンス」では、第2停止時、演出が消えずに残れば「小役以上」が確定する。よって、ジーニー第2停止時、小役非テンパイで演出継続なら、小役が否定されて「ボーナス2確目」となる。第3停止後は、ジーニーの高笑いが待っている。
(8)
(演出なし)
(7)と同じ形でも、演出がなければ単なる「ズレ目」に過ぎない。だが、左右がこの形(左…「上段チェリー付赤7」、右…「ベル・チェリー・スイカ」)で止まり、中リールにいわゆる「強い図柄」(「中段チェリー」or「バー・リプ・バー」)が止まると、一気に「鉄板目」となる。
即ち、以下の出目は全てリーチ目(しかも、ビッグ確定目)となる。右リール上・下段にボーナス図柄があれば、分かり易い入り目となるが、右にボーナス図柄がなくとも、中出目次第では「強い出目」に昇格するのだ。
(中「バー・チェリー・赤7」) (中「青7・チェリー・バー」) (中「バー・リプ・バー」)※リプハズレ目
左リールが上の出目(赤7・ベル・リプ)の場合、右リールの枠下or枠上に「バー」が止まった形や、右「リプ・ベル・スイカ」の形も、中リールが上記3つの停止形の時は、全て「ビッグ確定目」となる。
(9)
実に当たり前すぎる2確目…チェリー付きのボーナスハサミ目。高設定っぽい台をブン回している時など、ボーナス成立に気付かず、こうした後目(あとめ)でフラグ察知する事もあった。
因みに、このテの出目には、私なりの有効な「使い方」があった。隣で打っている客が、レバーや台をガンガン叩くなどマナーが悪い場合、奴がハマっている時にこういった確定目が出ると、そのままカラ回しで台を放置して、ジュースを買いに席を立つ。日頃の行いが悪い者に対する、私なりの「制裁」のつもりだったが、効果のほどは不明…。
このように、「赤7上段ビタ狙い・ハサミ打ち」一つとっても、出目や演出の楽しみ方は山ほどあった。左でチェリーをカバーするには、「チェリー枠内狙い」や「チェリー下の青7を上段ビタ」など、他にも目押しポイントは複数あるが、それぞれの打ち方で純粋に出目を楽しんだり、演出との「合わせ技」でボーナスを察知したりと、幅広い楽しみ方が出来た訳だ。
そういう意味では、現役時に収支を度外視して、もっと出目の楽しみを深めるべきだったかな、とも思う。
(リプレイハズシ)
1回目、2回目の小役ゲームは、左⇒右とハサミ打って、左には一応チェリーを狙う(4枚チェリーは出ない)。左右でスイカがテンパイした時のみ、中リールにもスイカを狙う(「BARリプBAR」を目安)。
3回目の小役ゲームは、押し順を中⇒右に切り替えて、中リール枠内に「BARリプBAR」を狙う(スイカをカバー出来る)。右リールは適当押し。
リプレイ上段受けテンパイ⇒左枠内に「上にチェリーが付いた青7」を狙い、リプレイを外す。
リプレイ下段受けテンパイ⇒左枠内に「下にチェリーが付いた青7」を狙い、リプレイを外す。
このように、本機のハズシは「上段受け」or「下段受け」になるが、たまにハズシポイントを「ど忘れ」する事があった。ただ、「上段受けなら、上にチェリーが付いた青7狙い」「下段受けなら、下にチェリーが付いた青7狙い」と関連付けて覚えていたので、とっさの時でも思い出すことが出来た。
ベルの上段受けテンパイ⇒ほぼベルなので、左枠内に「BAR」を狙う。左を適当に押すと、ベルを取りこぼす「NGポイント」(ベルのテンパイラインに赤7をビタ)があるので危険だった。
スイカ上段テンパイ⇒ほぼスイカなので、左に「BAR」を狙う。単なるハズレの場合もアリ。
スイカ左下がりテンパイ⇒コチラもほぼスイカなので、左にBARを狙う。単なるハズレの場合もアリ。
ベルとスイカの「Wテンパイ」⇒制御上、ビッグ中に中押しをすると、スイカ成立時は「右上段絡み」の2ライン(上段or左下がり)でしかスイカがテンパイしない。したがって、この形は「ベル」なので、左にBARを狙う。
残り9Gからは、左⇒右のハサミ打ちスイカ狙いに戻す。ハズシを使えば、ビッグ平均枚数は399.28枚(小役狙いのハズシ不使用時⇒平均379.47枚)と、十分な効果が見込めた。他機種と比べると、パンクが非常に少なかった印象もある。
(当時の記憶)
本機は、私にとって非常に好印象の一台だ。それは、上記したゲーム性の秀逸さもさることながら、初打ちが「会心の勝利」だった事に大きく起因する。
以前紹介した「ヒートウェバー」(テクノコーシン、4号機)の項で触れた、渋谷・場外馬券場近くの「ピーワン」(とんねるずの「生ダラ」でも登場)というパチ屋でアラベを初打ちした時のこと。
渋谷を徘徊中、駅から少し離れた並木橋交差点まで足を延ばすと、この店のアラベスクRがちょうど新台入替3日目で(店員がマイクでそう煽っていた)、他のシマとは違う盛り上がり方をしていた。たまたま空き台が数台残っており、特に理由もなくフラッと着席した一台が、実に気持ちよい程の「上昇波」を描いてくれたのだった。
その時は、リーチ目も演出もほとんど知らずに打った為、それまでの山佐台の経験と、台に貼られた「リーチ目表」だけが頼りだった。しかし、そんな不安もどこ吹く風で、短いG数間隔でのボーナスをひたすら連発する展開となった。
ビッグのクレジット連も多発して、200ゲーム以上のハマリはほとんどなかった。なぜ、この台が空き台だったのか不思議なほどで、サラ盛り1000枚入るドル箱が3段、4段と重なっていき、シマ一番の「好調台」である事は明らかだった。
この時、台の好調さと共に、ある「別の事」も強烈に覚えている。それは、同じアラベのシマにいたカップル(推定30代前半)が、調子よく出している自分の方を、終始チラチラと見ていた事だ。
私がビッグをかける度に、シマの右カドで打つカップルの女性が、私に強い視線を送ってくる。その視線は、私に対する「好意」などではなく、「何で、あの台ばかり出るのよ?」的な、明らかに悪意あるものに思えた。かなり強烈な「睨み」である。
さらに、この女性と離れた台で打っている彼氏が、チョクチョク女の元にやってきては、あれこれ会話していた。その度に、私が箱を積み上げるのを、実に不快そうな表情で睨みつけてくるのだ。当時の私は、台の方に顔を向けつつも、横目で周囲の客の反応を逐一チェックする「クセ」があったので、このカップルの反応が好意的でない事は、すぐに判った。
大方、入替初日からアラベを追い続ける、常連カップルといったところだろう。あまり芳しい結果が出ないまま新装3日目を迎え、「今日こそは」と狙った台でアツくなっている時、普段この店であまり見かけない顔の私が、空き台に座って爆裂させているのが、不愉快極まりなかったのだろう。
結局、このカップルの「ガン飛ばし攻撃」は、私が台をヤメる夜10時過ぎまで、ひたすら続いた。
確か、この時は最終的に7000枚近い超・大量獲得となった。設定は不明だが、BR共に、設定6の数値を大きく上回っていたのは間違いない。台を離れる際、店員が「出玉記録を店に飾りたいので、コインを流す前に、ドル箱と台を撮影させて下さい」と言ってきたのを覚えている。少し気おくれしたが、自分の顔写真がさらされる訳でもないので、素直に応じた。写真を撮っている時も、例のバカップルは相変わらず不機嫌そうな顔で、コチラを睨んでいた。
こんな感じで、初打ちが10万近い大勝ち(7枚交換)となった事が、本機への印象を強烈に良くした。「この台は、高設定さえ掴めば必ず爆発する」と思い込んで、その後も、あちこちのホールを回っていた事を思い出す。当時、アラベを追った店を振り返ると、こんな感じである。
・渋谷…ピーワン(初打ち、本文参照)、エルニド(イベント、札多し)、マルハン(等価、台数多)
・新宿…エルニド3(エビ通り、ガラガラ)、グリンピースタワー(客付良)
・東銀座…モンタナ(等価、店員チェック厳しい)
・有楽町…DUO(昼ガラガラ、夜リーマン多し)
・町田…エースゾーン(バラエティ2台)、回専問屋さくら屋(等価、キングジャック有)、ゴードン(等価)
・相模大野…フレスコ(客付良、ビーキッズクラブF有)
・溝の口…ミラージュ(等価、クリ7、赤光の剣、ゴシック、ユニコーンSP有、〇モノ多し)
・市ヶ尾…ダイアナ(等価)
・名古屋・太閤口(遠征)…ウィングレッド(地下フロア、シオサイ30有)
イベントや高設定札やドル箱の積み具合を頼りに、都内・神奈川(名古屋)で本機を見つける度に、「渋谷ピーワンでの快勝よ、再び」と対戦を繰り返した。しかし、どんなに頑張ってもMAX3000枚程度が関の山で、ハマリなしで5000枚を超えるような「めくるめく」展開には、とうとう巡り会えなかった。
市ヶ尾の「ダイアナ」は等価の割に設定も良さげで、ビッグ3連程度でサッと勝ち逃げしたりして、勝率も高かった。一方、町田でのアラベ実戦に関しては、ほぼ負けた記憶しかない(さくら屋は、沖スロ「ハイハイシオサイ30」と「シオラー30」でお世話になったが、アラベのシマはいつもガラガラだった)。
渋谷や新宿のエルニドチェーンは、「高設定多数」をやたらとアピールしていたが、アラベで勝てたのは4回に1回くらいの割合だったか…。特に、渋谷ニドのアラベのシマ(1F)には足繁く通った時期もあり、アラベが不発の時は、2Fの高設定札が刺さった「キングオブザタイガー」に座り、アラベの負け分を補てんしたりした(逆に、傷口を広げる事も…)。同じ渋谷でも、マルハンのアラベでは箱を積む事も多かった。
トータルの勝率もまずまずで(末期は推定1の台がゴロゴロしていたが…)、やはり最初の爆勝ちが大きなアドバンテージとなった。まぁ、渋谷での体験は、ある意味「奇跡」に近い展開だった。例のカップルが感情的な反応を見せたのも、「已む無し」といったところか。
それにしても、アラベの良き思い出が、このカップルのお蔭で、今も鮮明に脳裏に焼き付いている事をを思えば、今となっては彼らに感謝すべきかもしれない。
こうして個人的に振り返ると、山佐4号機では、定番ニューパルよりも、アラベに対する熱中度の方が、むしろ上だった。それだけ「ツボ」にハマった機種という事になる。後に、町田でシオラーに出会わなければ、低設定オンリーの末期でも、懲りずに本機を追いかけた事だろう(さくら屋に感謝…)。