まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

フィーバー大相撲II(三共、デジパチ)の連チャンシステム

2014-04-16 18:24:18 | 現金機デジパチ

1992年に三共から登場した新要件デジパチ「フィーバー大相撲II」

★台の概要については、以前の記事で既に説明した通り。

過去記事はコチラ

http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/ab36f4c216d919c085636d60a1c6f537

 

三共お得意のドラム機で、通常モード時1/265、天国モード時1/53の数珠繋ぎ連チャン機だ。


(「大・相・撲」(赤・青)のダブルリーチ)

 

ただ、数珠連機とは知られていても、内部システムに関して、詳しく言及するネット資料は少ない。

まぁ、「大当り後は、2段階抽選の一方をフリーパスする」というおおよそのカラクリは、当時の三共の連チャン機という事でお判りだろう。

また、数珠連チャンを期待できるのが、「最初のハズレリーチ発生まで」というのも、本機の大きな特徴であった(最初のハズレリーチで通常確率に戻る)。

しかし、具体的な連チャン発生やモード切替えの仕組みとなると、ピンとこない人もいるだろう。

なぜ、大当り後は必ず1/53の高確率状態となり、ハズレリーチを契機に通常確率に落ちるのか。

今回は、本機の連チャンが、どういった内部処理によって引き起こされたかを解説したい。


 

★大当り判定…三共お得意の「2段階抽選方式」を採用

・一次抽選⇒1/53(カウンタの範囲は0~52、当選値は2)※10進法で表記
・二次抽選⇒1/5(カウンタの範囲は0~4、当選値は3)※10進法で表記
⇒トータル確率は1/53×1/5=1/265となる(初当り確率は低め)。

★二次抽選における特殊な演算処理

本機は、二次抽選で拾ったカウンタ値(0~4)をそのまま二次判定には用いず、「変数X」を使った演算処理で加工した値を判定値に用いる(←いかにも怪しい)。

つまり、二次抽選の「当選値は3」と書いたが、厳密には「3」がそのまま大当りと判定されるのではなく、「3」を引いた時に変数Xを用いて「加工した値」が、二次当選と判定される仕組み。

(変数Xについて)
初期値、及び通常時は「24H」(16進数)⇒2進数では「00100100」
大当り時、及び大当り終了後は「5AH」(16進数)⇒2進数では「01011010」
大当り後の最初のハズレリーチ時に、「5AH」から「24H」に戻る。
 

一次抽選(1/53)を通過すると、二次抽選に移行。「0~4」のカウンター値のうち1つを取得。

この時、二次抽選値が「3」の時と「3以外(0、1、2、4)」の時では、その後の演算処理が異なる。

※なお、以下の演算を理解するには、プログラム処理に用いる「16進数」、「2進数」、「論理和(OR)」、「論理積(AND)」に関する最低限の知識が必要となる。とりあえず、私のような文系人間でも理解できるような、簡単な説明を加えておく。

・16進数…「0~9、A、B、C、D、E、F」の16種類により表される数
例)10進数の「255」⇒16進数では「FFH」 ※末尾のHは、16進数を表す記号(ヘキサ)

・2進数…「0、1」の2種類のみで表される数
例)10進数の「255」⇒2進数では「11111111」

・論理和(OR)…2つの数(2進数)のビット列を比較して、少なくともどちらか一方が1ならば1とする。
例)
A  00100110
B  10110010  AとBの論理和(OR)を取ると
   10110110  となる。

・論理積(AND)…2つの数(2進数)のビット列を比較して、両方が1の場合のみ1とする。
例)
A  00100110
B  10110010  AとBの論理積(AND)を取ると
   00100010  となる。

 


 

 

★二次抽選のカウンタ値が「3」だった時の演算処理

(1)変数Xと「5AH」の論理和(OR)を取る
(2)(1)の数値と「DBH」との論理積(AND)を取る
(3)(2)の数値と「5AH」との論理積(AND)を取る
(4)(3)の数値が「00H」(0)以外なら、二次当選と判定

 

★二次抽選のカウンタ値が「3以外」だった時の演算処理

(1)変数Xと「24H」の論理和(OR)を取る
(2)(1)の数値と「5AH」との論理積(AND)を取る
(3)(2)の数値が「00H」(0)以外なら、二次当選と判定

※変数Xの値は、通常時=24H、大当り終了後=5AH

 

ただ、これだと少し判りにくいので、今度は「2進数」に置き換えて説明してみよう。

★二次抽選のカウンタ値が「3」だった時の演算処理

(A)通常時…変数X=24H(00100100)

 (1)変数X(24H)と5AH(01011010)との論理和(OR)を取る
  00100100
  01011010
  01111110

 (2)(1)の数値と「DBH」(11011011)との論理積(AND)を取る
  01111110
  11011011
  01011010

 (3)(2)の数値と「5AH」(01011010)との論理積(AND)を取る(⇒新たな変数X)
  01011010
  01011010
  01011010

 (4)(3)の数値(01011010)は「00H」(0)ではないから、二次当選と判定される。

 

(B)大当り終了後(変数X=5AH、2進数では「01011010」)

 (1)変数X(5AH)と「5AH」との論理和(OR)を取る
  01011010
  01011010
  01011010

 (2)(1)の数値と「DBH」(11011011)との論理積(AND)を取る
  01011010
  11011011
  01011010

 (3)(2)の数値と「5AH」との論理積(AND)を取る(⇒新たな変数X)
  01011010
  01011010
  01011010

 (4)(3)の数値(01011010)は「00H」ではないから、「二次当選」と判定される。

⇒⇒つまり、二次抽選カウンタが「3」を取った時は、通常時、大当り後を問わず、必ず二次当選=大当りとなる訳だ。

補足すれば、通常時に二次カウンタが「3」を取った時、加工後の変数Xの数値は上記(A)-(3)のように「01011010」となる。これは16進数でいう「5AH」であり、大当りを契機に変数Xが「24H」から「5AH」に切り替わる事を意味する。大当り中、変数Xは変化しないので、大当り終了後の変数Xも「5AH」のままである。そして、この新たな変数X(5AH)こそが、本機の数珠連の肝となっている(後述)。


 

一方、問題となるのは、二次抽選カウンタが「3」以外(0、1、2、4)の数値を拾った場合である。

★二次抽選のカウンタ値が「3」以外(0、1、2、4)だったときの演算処理

(A)通常時…変数X=24H(00100100)

 (1)変数X(24H)と「24H」(00100100)との論理和(OR)を取る(⇒新たな変数X)
  00100100
  00100100
  00100100

 (2)(1)の数値と「5AH」(01011010)との論理積(AND)を取る
  00100100
  01011010
  00000000

 (3)(2)の数値(00000000)は「00H」(0)なので、ハズレと判定される。

 ⇒通常時は、二次抽選のカウンタ値が3以外(0、1、2、4)なら、普通に二次はハズレとなるが…
(二次当選率が1/5の状態)

 ※二次ハズレの場合、新たな変数Xは(1)「00100100」(24H)のまま不変

 

(B)大当り終了後…変数X=5AH(01011010)

 (1)変数X(5AH)と「24H」(00100100)との論理和(OR)を取る
  01011010
  00100100
  01111110

 (2)(1)の数値と「5AH」(01011010)との論理積(AND)を取る(⇒新たな変数X)
  01111110
  01011010
  01011010  

 (3)(2)の数値(01011010)は「00H」(0)ではないので、二次当選と判定される。

⇒⇒大当り終了後は、通常時とは異なり、変数Xが「5AH」となっている。その為、二次抽選カウンタが「0、1、2、4」の値(通常はハズレ値)を取っても、上記の演算処理により「二次当選」と判定されるのだ。
(二次当選率が1/1の状態)

すなわち、大当り後は、変数Xが「5AH」に固定される事で、二次抽選が実質的にフリーパス(天国状態)となる。一次抽選の1/53をクリアすれば大当りとなる訳で、これが本機の数珠連チャンのカラクリであった。

 

ならば、大当り後は、永久に「1/53」の高確率状態が続くかというと…勿論そんなことはない。

大当り後は、最初に掛かった「ハズレリーチ」を契機に、通常確率(1/265)に戻ってしまう。

では、最初のハズレリーチ時、内部でどういった処理が行われるのか。

大当り直後は、変数Xが「5AH」(01011010)になっているが、最初のハズレリーチがかかると、以下の演算処理により、変数Xの「再設定」が行われる。

(1)変数Xと24H(00100100)の論理和(OR)を取る
  01011010
  00100100
  01111110

(2)(1)の数値とA5H(10100101)の論理積(AND)を取る
  01111110
  10100101
  00100100

(3)(2)の数値が新たな「変数X」となる

ハズレリーチ後の演算処理により、新たな変数Xの値は「00100100」となるが、これは取りも直さず16進数でいう「24H」を意味する。

すなわち、強力な数珠連の原因だった変数Xの数値(5AH)が、ハズレリーチを契機に、通常の値(24H)に戻ってしまうのだ。

以後は、再度大当りするまで、変数Xは「24H」の通常値のまま固定される。当然、二次抽選のフリーパスもなく、常に1/265の通常確率で大当り抽選を受けなければならない。

もちろん、再び二次抽選でカウンタが「3」を取れば変数Xは「5AH」に切り変わるので、数珠連モードが復活する。

 

因みに、本機のハズレリーチ確率は「1/18」となっている。大当り後、1/53の当りを引くのが先か、1/18の転落リーチが先か…この「ヒキの戦い」こそ、本機の大きな醍醐味といえた。最初のリーチが掛かると、「当れ、当れ!」と、とりわけ強く念ずる。無事ドラムが揃えば天国は継続するが、初当りが低い分、あえなくリーチが外れた時の脱力感もそれなりに大きかった。

なお、本機をホールで打っていた時、大当り直後に(保留玉など)ハズレリーチがかかったにも拘らず、50回転以内で普通に数珠連チャンした経験が、何度かある。まぁ、解析を見る限りでは、この現象も単なる自力と考えられよう。或いは、その店が特別にあつらえた、〇モノだったかも…(笑)。