(C)EPE
1999年(平成11年)にIGTから登場した
4号機「エルビス」(REG無しのBタイプ)
★ボーナス確率表
★払い出し表
1993年、かの「ベガスガール」(初期4号機)で業界初参入を果たしたIGT。
当初は海外の新参メーカーゆえに技術力不足を露呈、同機のポン〇ツぶりが
何かと話題に上がったが、その後は打って変わって目覚ましい発展を遂げる。
トリコロール96、ホットペッパー、ジョーカーズワイルド、ダブルダイヤモンド、
エビゾー、マッスルトマト、ポッパーキングなど、個性的で味わい深い機種を、
続々リリース。今回紹介するエルビスも、そんな流れの中で世に送り出された、
存在感溢れる一台だった。後続で出たダイナマイトと同じく、当時打ち込んだ
機種である。
文字通り、伝説のミュージシャン「エルビス・プレスリー」がモチーフの
タイアップ台。ビッグ中は往年のヒットナンバーが流れた。赤7、青7、黒と
ビッグ図柄が3種類あって、各々に対応する曲が存在(以下を参照)。
赤7…「監獄ロック(Jailhouse Rock、1957」
青7…「ハートブレイクホテル(Heartbreak Hotel、1956)」
黒…「ハウンドドッグ(Hound Dog、1956)」
JACゲーム中サウンド…「冷たくしないで(Don't Be Cruel、1956)」、
ビッグ終了時サウンド…「ラブミーテンダー(Love Me Tender、1956)」
…となっており、オールディーズファン垂涎のラインナップ。サウンド面の
充実ぶりは、まるでジュークボックスを思わせた。
JACゲーム2回のBタイプでハズシも不可だが、メインの15枚役確率が高く、
簡単な目押しで平均獲得枚数は400枚を超えた(⇒設定差アリ)。MAXで
560枚と、ヒキ次第で大量獲得可能。特に、設定6のハイスペックぶりは
顕著で、終日打ち切れば万枚越えも普通に狙える仕様。また、ビッグ中の
ハズレ回数で設定推測可能。一方、通常時の演出「エルビスチャンス」は
頻発する割にガセも多発したので、「煩わしい」と評する向きも多かった。
但し、予告音発生時に「中押し」して成立役を見抜けばガセの演出も減り、
がぜん面白くなったのも事実。シンプルなようで、打ち込むほどに新たな
魅力を知る、スルメのようなゲーム性も大きな魅力だったといえる。
「6なら万枚」の言葉に心揺さぶられ、私もよく追っかけた。ただ、展開や
出方から「6か?」と思う台に座った事は何度かあっても、万枚には一度も
届かなかった。6のヒキ弱か、他の設定のヒキ強だったかは、定かではない。
一方、設定確認させてくれる「6確定台」に腰を下ろした事は、残念ながら
無し(近年のスロゲーセン実戦は別として)。思い出すのは、新百合ヶ丘の
「ダイヤモンド」(閉店)という店。一時期、どの機種でもビッグ1回引く
たび、ポイントカードにハンコを押すサービスをやっていた。で、具体的な
数字は失念したが、ある程度のポイントが貯まると、エルビスの6確定台を
打たせてくれたのだ。今思えば太っ腹なサービスで、ぜひとも活用すべきで
あったが、当時このホールでは平日の仕事帰りに短時間しか打てなかった為、
このテのサービスはハナから諦めていた。ただ、休日を活用するなどして
地道にポイントを貯めていけば、何度かエルビスの6にありつけたハズだ。
実に勿体ない事をした…と後悔している。
そういえば、この時代は丸の内に職場があったので、昼休みや仕事帰りに
有楽町駅前の「UNO」というパチ屋の2Fでも、よくコイツと勝負したな。
本機以外に、サミーのメロディナーレやビンビンカミサマ、オリンピアの
キャロル7、北電子のレジェンダとかプチマーメイド、山佐のコングダム、
それに岡崎産業のコアなども打った店で、ラインナップが香ばしかった。
当時、UNOの一本隣の路地沿いには、「かもめ」という名の昭和然とした
小さなアレンジボールと雀球の店もあったっけ…懐かしい(遠い眼)。
(エルビスチャンス)
本機の大きな特徴は、通常時しばしば発生する「エルビスチャンス」と
呼ばれる演出だった。左リール中段に15枚役の「レコード」が止まると、
第3停止後にリール右の小さな1ケタ7セグ(緑色、0~7)が変動。同時に、
台枠のランプも時計方向に回って派手なBGMも鳴った。7セグが「7」なら
ビッグ確定で、「3」ならチャンス(ハズレも多いが)、その他の数字は
ローチャンス(ハズレ確定ではない)。この時、7セグの変動する時間が
長くなるほど、ビッグ期待度が高い。7セグ変動に合わせて台枠ランプも
回り続けるから、台枠ランプが長く回るほどアツかった(台枠ランプ6周
以上なら、必ず「7」が出てビッグ確定)。
エルビスチャンス発生の際は、レバオン時に通常音と異なる「予告音」
(SP音)が鳴る。「予告音発生⇒左中段レコード停止」が、エルビス
チャンス発生の条件。但し、左リールにはレコード図柄が2つしかなく
(しかも近い位置に固まっていた)、レコードを引き込めない所で左を
止めると、予告音は鳴るがエルビスチャンスにならない。確実に演出を
見たいなら、左にレコードを目押しする必要があった。
予告音が発生すると、ビッグ、全小役、ハズレとあらゆる可能性があったが、
大半がボーナス非成立時の「チェリー」か「レコード」。出現率を考えれば、
圧倒的にチェリーが多かった。但し、左のチェリーとレコードは配置がやや
離れており、予告発生時、エルビスチャンスを見たいからと左にレコードを
狙うと、高確率でチェリーをこぼす。その結果、「ガセエルビスチャンス」
が頻発した。一応、左リールにチェリー、レコードの双方を引き込める所が
1つだけあって(リプレイ・黒・レコード)、ここを狙えば、2チェ、4チェ、
レコードの何れにも対応できたが、要・ビタ押しで負担も増えた。そこで
編み出されたのが、予告音発生時の「中押し」手順である。
(予告音発生時の中押し)
レバオンで予告音が鳴らなかった場合、左枠内にチェリーを狙う。アバウトに
チェリーを狙うとレコードを取りこぼし易いが、レコード成立時は超高確率で
予告音が鳴るので、さほど問題はない。
一方、レバオンで予告音が鳴ったら、最初に中リールを適当押し。この時、
中リール下段に停止した図柄で、成立役を判断する。
(1)中リール下段「スイカ」停止
ほぼ4枚チェリーかハズレ。左枠内チェリー狙い⇒右適当押し
(2)中リール下段「レコード」停止
ほぼレコードだが、スイカやチェリー、ハズレ、ビッグもアリ。
全役に対応するには、左中段に「黒・レコード・黒」の上側の
黒を狙い、右適当押し。15枚役優先で行くなら、先に右を適当
押し⇒下段15枚テンパイ時は左枠内に黒の塊を狙う(スイカが
単独テンパイしたら、左はチェリー狙い)。下段受けレコード
テンパイでも、スイカ、チェリー、ビッグ、ハズレの可能性が
残っていたのが、割と厄介だった。
(3)中リール下段「チェリー」or「ビッグ(赤7/青7/黒)」停止
ほぼ2枚チェリーかハズレ。左枠内にチェリー狙い⇒右適当押し。
(4)中リール下段「リプレイ」停止
問答無用でビック確定の一確目。なお、中リール下段にリプレイだと、
配列上、中段には必ずレコードが停止する。「中段レコードがアツい」
と覚えている方もいると思うが、どちらでも同じ。
※通常時、予告音が発生してスイカやリプレイである可能性は低い。但し、
稀に揃う。その場合、鉄板ではないが、ビッグ成立後である可能性が高く
なる(ビッグ成立後は、リプ、スイカ成立時に予告音を伴い易くなる為)。
(ビッグ中の打法と設定推測)
ビッグ中は左に黒の塊を狙うだけで、中、右適当でも15枚のレコードが
揃うので、Bタイプにも拘わらず、獲得枚数はAタイプに引けを取らない
(平均約400枚、MAX560枚)。ゆえに、ビッグ中は順押しでも良いと
思われがちだが、ハズレ目が出た際、スイカ、チェリーのこぼしなのか
本当のハズレか見分けづらい。本機は、ビッグ中の2チェ、4チェ、15枚、
ハズレの確率に設定差があり、平均獲得枚数は設定毎に異なる。とりわけ
差が大きいのがハズレ確率で、設定1と6では28.45倍もの顕著な差が存在。
この特性を利用して、ビッグ中のハズレ回数から設定推測することが可能
だった。但し、成立役をキッチリ見極めないと、精度も低下する。そこで
重宝されたのが、通常時の予告音発生時と同じ「中押し」手順であった。
(1)1回目小役ゲームから、レバーオンで予告音発生なら、中を適当押し。
予告音は15枚の可能性が高く、順押し黒狙いでOKとも思えるが、スイカや
チェリー、ハズレもある為、成立役を正確に見抜くには中押しがベストだ。
やはり、中リール下段に止まった図柄で成立役を判断する。
(a)下段にレコード停止⇒15枚役濃厚(たまにスイカやチェリー)
⇒左中段に「黒・レコード・黒」の上の方の黒を狙う⇒右適当押し
(b)下段にスイカ停止⇒4チェ濃厚(たまにハズレ)
⇒左枠内チェリー狙い⇒右適当押し
(C)下段にチェリー/ビッグ図柄停止⇒2チェ(たまにハズレ)
⇒左枠内チェリー狙い⇒右適当押し
一方、レバオンで予告音が鳴らなかったら、15枚役以外(ジャックイン、
チェリー、スイカ、ハズレ)の可能性が高いので、順押しで左枠内に
チェリーを狙う。
上記の手順でハズレと思われる回数を数えて行き、試行回数を重ねる。
その値が1/24以上なら設定3以下で、1/44以下なら設定4以上と推測。
1/200以下だと6の可能性も大いにアリ。但し、ハズレは偏る事もあり、
あくまでもビッグ出現率を勘案しながら、総合的に設定を推測する。
ビッグ終了時、「好きにならずにいられない」のメロディが鳴る事は
述べたが、この時、緑の7セグ(エルビスチャンス用)で獲得枚数の
大まかな表示も行われる。200枚台なら「2」、300枚台なら「3」、
400枚台なら「4」、500枚台なら「5」というように、獲得枚数の
100の位が表示される仕組みである。ヒキが弱いと15枚がほとんど
揃わずに速攻ジャックインが続いて、「2」が連発したり…。逆に、
15枚のヒキ強で立て続けで500枚近く取れたり、JACが入らずに
1パンや0パンを食らったりとバラついた。それらを平均した値が、
「約400枚」となっていた訳だ※。
※ビッグ中の15枚確率…1/1.17~1.31(設定差アリ)
※ジャックイン確率…1/10(全設定共通)
(主なリーチ目)
・左「スイカ・青7・スイカ」(スナス)…一確
・黒の中段テンパイ…二確
・左「赤7・スイカ・リプ」⇒上段赤7(青7付)テンパイ…二確
・左「リプ・スイカ・青7」⇒下段青7(赤7付)テンパイ…二確
・左「スイカ・リプ・黒」⇒黒の右上がりテンパイ…二確
・左「スイカ・リプ・スイカ」⇒小役ハズレ目
・左「赤7・スイカ・リプ」⇒中「黒・スイカ・レコード」…スイカハズレ目
・左「青7・スイカ・リプ」⇒中「赤7・スイカ・レコード」…スイカハズレ目
・左「リプ・黒・レコード」⇒中・中段レコード⇒レコードハズレ目
・チェリー付きビッグ図柄の対角形(成立後)
・中段スイカ揃い(成立後)
・中段以外のリプレイ揃い(成立後)
など
(IGT「エルビス」の項、了)