まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

昭和文化遺産、新宿ゴールデン街を守れ

2016-04-14 07:57:58 | 雑記

皆さんもご存知の通り、先日、新宿・歌舞伎町の飲み屋街の名所、
「新宿ゴールデン街」にて、昼下がりに忌わしき火災が発生した。


今も、昭和の面影を色濃く残す、現代のタイムスリップゾーン。
古くから、多くの文化人、著名人も訪れる、都会のオアシスだ。

また、近年では、かつてのゴールデン街の姿を知らない若年層や、
外国人観光客にも、絶好の人気スポットとなっている。
(空き店舗に、若年層向けの店がオープンするケースも増えた)


各地で再開発の流れが進み、古い名所や建造物が次々と消える中、
あの猥雑で、前時代的な雰囲気が残るのは、ある意味で「奇跡」といえる。


私自身、’90年代前半の学生時代は、大好きだったパチ・スロの「ハシゴ」で、
歌舞伎町を端から端まで駆けずり回った。その頃、パチ屋・スロ屋が20ほどあったが、
今や、その多くがクローズとなっている。

当時は、ゴールデン街の入口、カプセルホテルの1Fに、「大番」というパチ屋があり、
ここで勝負した後、火照った熱を冷まそうと、裏手のゴールデン街の路地を、よく歩いた。

別に、店に入って飲む勇気も甲斐性も無かったが、酔客に混じって、あの狭い界隈を
ブラブラするだけで、不思議と心が落ち着いた。或いは、昼過ぎの閑散とした路地の闊歩も、
妙に気持ち良かった。



そんな思い出のゴールデン街の一角で、突然起こった今回の火災に、やはり心が痛む。
(ダウンタウンの松ちゃんの番組でブレークした、あの「野見さん」が店長を務める店も、
火災の被害に遭ったという…)


新宿界隈での火災といえば、1999年に起きた、西口「思い出横丁」の大火事が有名。
この火災で、ふじしん、かわち、三角といったラーメン店はじめ、多くの店が姿を消した。

私は、火事のすぐ後に現場を訪れたが、視覚的な記憶もさることながら、辺り一面に漂う、
異様な「焦げ臭さ」が、今もハッキリ思い出される。


また、2年後の2001年には、歌舞伎町・一番街通りの「明星56ビル」でも大火災があり、
テナントだった麻雀ゲーム店や風俗店の客・従業員など、多数の犠牲者を出すに至った。

この火災の数日前、私はスロの勝負終りに、現場の隣のビル地下に入ったゲーセンで
遊んでいたから、決して他人事とは思えない。


その後も、新宿駅周辺や歌舞伎町の界隈では、たびたび大小の火災が起きていて、
火事の報せを聞くたびに、「現場は何処だ?思い出のエリアは無事か?」と気を揉んだ。


今回のゴールデン街の火災は、消防の懸命な活動も功を奏して、全焼は「3棟」だった。
放水車も入れない路地に、300もの小店が密集する地帯。にも拘らず、大きな延焼もなく、
被害を最小限に食い止めたのは、不幸中の幸いだろう。当日、風が弱かったことも大きい。


当初、火災の原因は、火元となった建物2Fの、「電気系統トラブル」との見方が有力だった。

実際、2Fは店舗の改装工事の真っ只中。電気配線の業者も、頻繁に出入りしていたという。

老朽化した配線のショートが、火災に繋がった…こんな話で、事態は収拾するかに思われた。


だが、防犯カメラの映像解析で、火災発生の前後、不審者が火元の建物付近をうろつく姿が
確認されると、一気に放火の疑いが強まった。そして間もなく、被疑者逮捕と相成った訳だ。

捕まったのは、60歳代の男。路上生活者。

火災直前、火元の建物に侵入した事を、既に自供している。


この情報だけでは、まだ「放火」と断定できないが、状況から、十中八九、この人物の犯行だろう。


「ようやく犯人が確保されて、一安心…」との向きもあろう。


だが、私は、そう思わない。


単なる路上生活者が、昼間のゴールデン街にわざわざ出向き、空き部屋に忍び込んで、
火をつけて逃走…というのは、どうにも突発的すぎて、腑に落ちない部分が多い。

ホームレス生活にも行き詰った被疑者が、「このまま野垂れ死にするなら、付け火でもして
牢に入り、三食・寝床付きを確保した方がマシだ」と思い詰めて、犯行に及んだ可能性も、
無いわけではない。

ただ、それなら放火などせずとも、無銭飲食あたりで捕まった方が、リスクも少ないだろう。

放火は重罪、下手すれば「死刑」まであり得る。

単に「三食・寝床付き」を得る為、そこまでのリスクを冒す覚悟があるとは、到底思えない。


うがった見方かもしれないが、ひょっとして、この男、誰かにかなりの大金を掴まされた上で、
ゴールデン街への放火を、「依頼」されたのではないか?


実際、東京五輪を数年後に控えた現在、都心エリアの再開発の波は、一段と強まっている。

こうした中で、地上げ業者などの「黒幕」が、新宿の一等地にデンと構える、古く昭和然とした
ゴールデン街の存在を、日頃から疎ましく思っていても不思議はない。

だから、「手駒」として使いやすい路上生活者を、金銭や物品で取り込んで、自らの計画を
代行させた可能性もあろう。

今回捕まった60代男は、現場をうろついていた際、かなり酒に酔っていたという。

彼が小心者で、これから依頼された「大仕事」を実行するのに、シラフでは到底無理だから、
酒をかっくらって、気を大きくして現場に出向いた…と考えても、おかしくはない。


ただ、今回の火災の規模では、「黒幕」の計画とすれば、「首尾よく成功」とは言えないハズ。

ならば、今後、第二、第三の「刺客」を差し向けてくる可能性も、大いにあろう。

今後は、防犯カメラの増設、見回りや声掛けなど、不審者を遠ざける一層の努力が必要だ。



今回の一件で、ゴールデン街で働く方々の防災意識は、さらに強まったと思う。
(常日頃、火災への意識が強い事を知っているので、「さらに」という言葉を選んだ)

加えて、上記した「陰謀説」も頭の片隅に残しておけば、防犯意識もいっそう高まろう。

単なる「取りこし苦労」かも知れないが、「可能性」としては、決して捨ててはいけない。

あの界隈の「一掃」を本気で目論む勢力が、いないとは言い切れないのだから…。

被疑者逮捕に気を緩めることなく、今後も、さらなる防犯、警戒に当って欲しい。



かつての歌舞伎町のシンボルだった新宿コマ劇場が消えた今、
「古きよき、歌舞伎町」の象徴として残り続ける、唯一無二の存在。
それが、「新宿ゴールデン街」である。


まさに、「昭和文化遺産」に他ならないこのエリアを、未来永劫にわたって残すべく、
これからも、地域一丸となって守って欲しい、と切望する次第だ。
国民全体の協力と監視のもとに。