Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

また一からスタートです

2013-04-04 00:40:28 | 素敵な現場
シニア担当のYokoです。

東京は桜が咲いたと思ったら、なんだか寒い日が続いているように感じます。

今年の桜は修了式や卒業式の頃から咲き出しましたね。

それはまるで一区切りや旅立って行く方の背中を見送りながらそっと応援しているかのよう・・・


柴崎先生のブログにもありましたが、先月毎年シニアのクラスの特別講師としてお越し頂き

個人的にも大変お世話になっているYさんがこの春から本社に異動となりました。

Yさんは高齢者施設で施設長として6年間勤務

(小学生が中学生になる時間の長さですね)

シニアのクラスでは、高齢者施設の現状や求められるレクリエーション、営業の為のHOWTOなどお話をして頂きます。

Yさんは元々一般流通系企業のご出身 そこで外食産業 フランチャイズ展開のキャリアを持ち

その後まだまだ新しい介護事業に転職された方です。

その経験からの物の見方、物事の展開のさせ方等本当に学ぶ事が多くいつもこの時間はあっと言う間に終わります。

そしていつもの通りスライドの最後は「ご清聴ありがとうございました」


拍手をしようとしたその時


「すこしだけ・・・」と前置きをしていつもならない新しいスライドが。。

見たことのないタイトル

そうしてご自身が過ごした施設での6年間を静かに語り始めました。


私はお礼を伝えるために席を立ち上がっていたのですが、突然の事で驚き 座る事を忘れて聞き入ってしまいました。


その内容は実は細かく覚えていません。

なぜなら号泣してしまって・・・・


でもこの事をどうにかブログに書こうとしたのですが・・・やっぱり全く進みませんでした。


Yさんが高齢者の方と過ごした6年間

施設に入居するという事 

高齢になって家族と離れるという事 感じている事 本当の想い

この立場でなければ体験しない Yさんだからこそのお話

Yさんという人柄だからこそ 深い懐の中にきっとずっと大切にしまっていた

深い 本当に深い 心に染み入るお話


Yさんという方を ご入居者の方を 知っているからこそ なおさらだったのかもしれません。

溢れ出る 涙 涙・・・



私の話になってしまいますが、Yさんの6年は実は私自身の6年でもあります。

それまでにも幾つかの現場をやっていましたが、新規の施設でアートセラピーを行なう事などありませんでした。

「この施設はどんな所なの?」そこにわずかばかりだけれども責任を担うという事の意味

施設オープニングのアートセラピー導入の時から立ち会い、まだご入居者が少ない時期に最初は10名くらい ワンフロアから始まって

徐々に参加人数もワークの回数も増え、対象者も健常の方だけから、グレーゾーンそして介護フロアと気がつくと全フロア

ご入居者全ての方がアートセラピー対象となり、1ヶ月4回 対象者毎のワークの工夫 失敗 試行錯誤、曜日ごとのサポーターを集める事や

事故を起こさないための配慮 緊張 大きなイベントにも参加させて頂きました。昨年は札幌の施設もご紹介頂きました。

そうしながらただただ必死に駆け抜けて来た6年でした。


でもその事をYさんのお話を伺う迄 実はすっかり忘れていたのです。私

もうそんなにも時間が経っていた事すらも 気がつかなった。。



Yさんが施設を卒業し 本社勤務になるのと同時に

私も気がつくと、Satomiに  Saori に いけちゃんにと現場を担う仲間も増え 参加するサポーターも増え

この春からこの施設では6年ぶりに私は1回のみの担当になりました。



号泣しながらも Yさんのお話の中で私の心に残った言葉

「いろいろな仕事をしてきたのは、僕はこの仕事をする為だったのだと今は思います」



人生に不必要な事など何もない

私もやっとこの年で心からそう思えるようになってきたところです。

私も現場でワークをやりながら、Yさんと同じように「また一からスタート」です。




Yさん ありがとうございました。

私達はアートセラピーを通してシニアの皆さんに楽しんで頂ける時間をこれからも作っていきます。

そしてYさんが常に目指していたシニアの皆さんが

「この施設に入ってよかった」

と、思って頂けるようにこれからもさらにみんなで力を合わせて・・・


気持ち新たに

また一からスタートです!





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