Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

ゆきがとけたらなにになる

2010-02-21 01:29:31 | ひとりごと
シニア担当のYokoです。


2月20日の朝日新聞の天声人語に素敵なお話が載っていました。




「ゆきがとけたらなにになる?」


さて、みなさんはこの問いになんと答えますか?


1人の女性が子供の頃にこの問いのテストにこう書いたそうです。


「土が出て春になる」


でもテストでは×。


答えは「水になる」




この女性は子供の頃、クロッカスなど球根を庭に植え、春になると真っ先に球根の

土の上の雪がとけ、丸く小さな土が見えた。そして緑の芽がゆっくりと出てくる。

その様子を「春になる」と書いたのだろうという事でした。




私はこのお話しを読んで心がとっても暖かくなり、

なんて豊かな感性と優しい心をお持ちなのだろうと思いました。




そしてこのお話しはアートセラピーそのものだなと。

1人1人の思い出、感じることはそれぞれで、この部分を大切に扱っていく。

それをアートで表現していただく。




このお話しは60代の女性。

そしてこのテストは亡くなったお母様の遺品の中にあったのだそうです。

お母様はきっとこの回答に娘さんらしさを感じたのではないかなと想像しました。

そしてお母様の中では、この回答に大きな○を心からつけられていたのだろうな・・って。




アートセラピーには正解はありません。

感じることはひとそれぞれ。

そしてその中には沢山の思い出やお話しが詰っています。

それを色や形であらわしていく。

一つとして同じ作品がないのは、この部分を扱っているからです。




シニアの皆さまの作品に触れると心が震える事があります。

それはその方の生きてきた長さ、そして深さがあらわれているからだと思います。

本当にその方の神聖なものに触れさせて頂いている気持ちになります。




「ゆきがとけたらなにになる?」



あなたの答えにはどんな思い出やお話しがありますか?

色や形にしたらどんなものになりそうですか?

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゆきがとけたら… (chica)
2010-02-23 09:07:10
「ゆきがとけたら」みちがみえる。

ようこちゃんの問いで、北海道にいた中高時代を思い出しました。

山の上にポツンとあった寮の窓から、一面真っ白な街並を遠くに見、自分の行く先に迷い不安を感じていました。
今の私があの頃の私に言える言葉、それが、「ゆきがとけたら、みちがみえる」です。

今の自分にむけての大きな力となりました。
ありがとう、ようこちゃん!
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ありがとうございます (Yoko)
2010-02-23 22:12:36
>chica先生

コメントありがとうございます。

「ゆきがとけたら・・・」

この問いは物凄く深いなと気づきました。

先の女性の「土が出て春になる」
先生の「みちがみえる」

どちらにもその先に暖かさや光、そして勇気を静かに与えているように感じます。

元気頂きました!! 
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