地球温暖化によって海の環境が悪化の一途をたどっている。
地球温暖化の影響を科学的に検証する国連の『気候変動に関する
政府間パネル』は、「世界の漁獲量が今世紀末、最大で24.1
%減る」との特別報告書を公表した。温暖化は異常気象や災害
の増加だけでなく、身近な食卓にも影響を与える。
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記録的な不魚は国内でも近年起きている。温暖化で海水温が上
昇していることが一因とされる。たとえばスルメイカは寿命が
1年と短く、環境変化の影響を受けやすい。年間漁獲量は、
1956年から2010年頃まで20万トン~50トンだった
が、その後、2018年は5万トンに急減してしまった。
北海道大の桜井教授は「日本のスルメイカの産卵場の水温が
2000年頃から適温を上回る日が続き、産卵数が減った」
と指摘した。さらに深刻な影響が現れる可能性がある。
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海水温だけでなく、海洋の酸性化も悪影響を与える。
各国から排出される二酸化炭素の2~3割は海洋に吸収され、
海水が酸性化される。プランクトンの種類や量が変化するなど
して、海洋生態系が悪化するとされる。
これらの影響で今世紀末、1986年~2005年と比べて海
洋動物は20.9%減、漁獲量は24.1%減の恐れがある。
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海面上昇も深刻だ。温暖化対策が進まなかった場合、2100
年で最大1.1m上昇すると予測される。海に囲まれ、海の恵
みとともに生きる日本にとって、海水環境の悪化は深刻だ。
地球温暖化によって、水産資源の変化に対応できる漁業のあり
方を考えていく必要がある。しかし、何よりもまず地球温暖化
を食い止める方策を人間の英知で考えるべきだろう。
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