Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

あきない世傳金と銀1、2ー高田郁作

2021-12-15 10:17:10 | 

高田郁作「あきない世傳金と銀1,2」を読みました。シリーズものなので2巻分の感想を一緒に掲載します。大阪商家のお話で懐かしい言葉にも出合えてとても面白くて、早く次の3巻4巻を読みたくなります。摂津国武庫郡津門村で生まれ育った幸が9歳で大阪天満の呉服商「五鈴屋」に女衆(大阪弁ではおなごし)として奉公に出されます。今では武庫川と言っても大阪からすぐに行けるところですが、享保や元文の時代は摂津国武庫郡津門村から歩いて大阪の天満まで5時間も6時間もかかる遠いところでした。父は学者で主人公の幸は知識欲旺盛な女の子。普段から貧乏でしたがその上飢饉で食べるものがありません。妹の結がひもじさに石を飴代わりに舐める場面があります。私たちの先祖は自然災害や飢饉、戦争を何とかして乗り越えて今の私たちがあるのだなと思いました。
1巻では五鈴屋の3男坊の智蔵の言葉「・・・似てるからこそ、わかるんだす。ひとにどない思われたかて、自分に知恵がつけば、それでええ。物を知ることは生きる力になるんだす。」に幸は大好きだった亡き兄のことを思い出しました。番頭の治兵衛に沢山のことを教えられ、女衆でありながらあきないのことも覚えました。知識が豊富な方はたくさんおられますが、知恵の豊かな方は少ないです。幸は知識から知恵のある人に育っていきます。
それに懐かしい言葉「きさんじ」が出てきました。祖母がよく話していた言葉です。京都の方言で素直とか子供らしいとか、私は子供への誉め言葉の最上級と思っていました。ネットで調べると「明朗快活でさっぱりしている。人見知りせず人なつこい。くよくよしない。」と書いてありました。

2巻では益々幸があきないのことを覚えて役にたつ場面が増えていきます。いろいろな事情で「五鈴屋」の跡取りの徳兵衛と結婚します。「ご寮さん」になりました。番頭治兵衛が「縁と月日」について話します。

「物事が成るか成らんかは、ひとの想いや働きだけで決まるもんやない。ご神仏の手ぇが差し伸べられるかどうかだす。それに加えて、起こってしもた難事を解決するためには短気はあかん。決して諦めんと、歳月をかけてゆっくりと時節を待て、いう意味やないか、て考えるようになりました。」

幸にあきないの戦国武将になるために「縁と月日」を待ちなはれとさとしました。「縁と月日」、本当に大事なことやなと思います。何でもご縁というものがありますね。ご縁を大切にしてタイミングを見極めないと。

幸が嫁入りした徳兵衛は事故で亡くなります。次男の惣次と?さてさて、3巻はどうなるのでしょう!早く読みたいです。

2021-12-15(水) 図書館資料 請求番号:B/913/タカー1,タカ―2


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4 コメント

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音楽はいいですね~♪ (Sera)
2021-12-16 18:08:57
kiyasumeさん、ハーモニカを聴きながら書いています。

ありがとうございますm(_ _)m
返信する
追伸.....。 (kiyasume)
2021-12-16 11:07:36
嫌な話をお聞かせしてしまい、
すみませんでした・・・・・。

今回は私が吹いた下手なハーモニカ
の音源を置いて行きますね。聴いて
見て下さいね。3曲で1曲になって居ます、( ´∀`)

https://www.youtube.com/watch?v=NK7dtR5fo-s&t=6s

また来ますね( ◠‿◠ )
返信する
私には… (Sera)
2021-12-16 08:28:28
kiyasumeさん、いろいろなことがありますね。

私にはお話を聞くことはできますが、無力です。

世の中には悲惨なニュースが多いです。

知恵をしぼって悪いことばかりに目を向けず回りの方の助けを借りて

気持ちまでは落ち込まないようにすること。

私は助言するほど知恵もないし、力もありません。

皆さんがお幸せですようにと祈るだけです。
返信する
ちょっと長いお話ですが、、 (kiyasume)
2021-12-15 20:12:20
私が会社勤めをして居た頃、、
イグちゃんと言う社員が居ました。

彼は、貧しい出で、うちには丁稚の様な
形で昭和30年代の始めに来ました。

彼と幼かった私は食事を何時も一緒に
食べて居ましたが、イグちゃんは、何時も
ご飯に中濃ソースをジャブジャブ掛けて
食べて居ました・・・・・。

怒った母は、中濃ソースを取り上げて叱りました。
ある日、母がイグちゃんの部屋に行って見ると
彼の走り書きがノートにしてありました。

「なんで奥さんは怒るんだろう?」

そうノートには書いてありました。
母は呆れて居ました。其れから数十年が
経ちました。イグちゃんは片目を失明しました。

眼科医だった兄貴は彼から診察料は
取りませんでした。そうこうして居たら、
彼の親御さんが亡くなりました。

父と母は漁村にある彼の家を訪ねました。
そこは板張りの家で畳は無くゴザが敷いて
ありました。そして彼の生い立ちを知りました。

貧しかった漁師の彼の家では、釣った魚は、、
全て商品です。だから食べられません。
彼の家は貧しく。食事の時のおかずは何も
ありませんでした。だからおかずがわりに
ご飯にソースをかけて食べて居たのでした。

葬式から暫く経ってイグちゃんは、会社の
のれん分けをしてくれと言いました。
会社はイグちゃんが思って居る様な仕組み
ではありません・・・・・・。

「其れは出来ないんだよ」と言うと、、
中学しか出てないイグちゃんにはどうしてか、
まるで解りませんでした。だから、彼は、、

卵屋を始めると言い出しました・・・・・・。
そして会社を辞めました。兄貴が言いました。
彼のもう片方の眼もすぐに潰れると、、
原因は子供の頃に十分な栄養を摂って
居なかったからだと言いました・・・・・。

其れからすぐに彼のもう片方の眼も潰れました。
彼は今どうして居るか。私には解りません。
ただ貧困は悲劇しか産まないと言う事を

私は学びました・・・・・・。

私は来年の夏頃に生活保護を申告します。
何故なら障害を持って居るために働けないからです。
イグちゃんの事、人事と言っては居られません。

生活保護費は12万しか貰えません。障害が
あるのでそこに障害者加算がついて14万です
家賃を払って、食事代が出ません。私は今、
持ち金でどうにか暮らして居ます。
そして生活保護費は貰えるか
どうか、厳しい調査があります。

この先どうなるか、正直不安になります。

今回のこの記事の「石を飴だと思って舐めた」と
言うくだりで、貧しかったイグちゃんの事を
思い出しました。長文で失礼致しました。

また来ます。。。
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