「白秋秘唱」ー鳥越碧作を読みました。北原白秋は名前からしてもスマートなイメージで詩歌に親しんで穏やかな人という印象がありましたが、まったく違っていました。芸術家とは物事を深く捉えるので全般的にそういうものなのかも知れません。私は昔から詩歌を深く鑑賞できません。字面だけ追っている感じでその言葉の奥を深く想像したり味わったりする能力に欠けていると思っています。だから小説ばかり読んでいます。中学１年の時同級生の友達が石川啄木の短歌や島崎藤村の詩に感動し暗唱していました。
「東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたわむる」ー石川啄木作
「まだあげ初（そ）めし前髪の
林檎（りんご）のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛（はなぐし）の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅（うすくれない）の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情（なさけ）に酌（く）みしかな
林檎畑の樹（こ）の下に
おのづからなる細道は
誰（た）が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ」ー島崎藤村作
中学１年で鑑賞して感動して暗唱するなんてすごい友達と尊敬していました。私は最近やっと少し鑑賞できるようになったところです。こんな私ですから北原白秋の童謡には親しんでいましたが、詩集を読んだことはありません。白秋は何度も引っ越しをしています。小説でも引っ越しについて書かれていました。
「なぜこうも引っ越しを繰り返すのだろう。自分に安住を許さぬものがあるのだろうか。－中略ー 定住することなく転がり続けておれば、燃ゆる塊も転がり続け、いつかは噴流する道を探しあてるのではなかろうかとの夢を未だ捨てきれぬのだろうか。」
白秋は創作に対しての情熱が半端なく、
「自分は未だ命との引き換えにできるほどの仕事はしていない。」
と書かれています。命がけで創作していたので時々癇癪を起こしました。たくさんの童謡からはとても想像できません。生みの苦しみに悶えていたのがわかりました。白秋の一生はまさに波乱万丈です。女性に対しても深く愛しすぎるほど愛します。愛しすぎて上手くいかないのか、３回結婚して２回離婚しています。この本を読んで白秋に対するイメージが何もかも覆されました。この次から童謡を歌うときは歌い方も変わるかもしれません。それぐらい衝撃的な作品でした。
２０２２－１０－４ （火） 図書館資料 請求番号：９１３／トリ
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それに読んだ小説の感想やあらすじを書きながら、美しい写真をブログにあげるとか, 普通の人にはできないことをされる才能をお持ちです。
なかなか真似ができないですね。
いつも失敗ばかりしているので、こんなにほめていただいて嬉しいです🎵
このブログは日記のつもりなので、本当は毎日書きたいのですが
なかなか思うように行かず(^_^;)
aoyamaさんは毎日書かれてすごいですね✨
これからも続けて書きますのでどうぞよろしくお願いします🙇⤵️
やる気が出てきました😃✌️