中目黒のスターバックスで朝食を楽しんだ後、渋谷に移動して映画を見ました。ケイト・ブランシェットが、ベルリンフィルの天才女性指揮者を演じるサイコドラマです。
クラシック音楽が好きなので、ケイト・ブランシェットの演技とあわせて楽しみにしていました。昨年のアカデミー賞はじめ数々の映画賞で話題をさらった作品です。あまり楽しい話ではないですし、会話が難解で、上映時間が３時間近くあるので
どちらかといえばお勧めしづらい作品ではありますが、権力の本質を描いていて、個人的にはガツンときました。フィクションですが、華やかなクラシック音楽界の裏側に触れられたのも興味深かったです。
リディア・ター (ケイト・ブランシェット) は、ベルリン・フィルの史上初めての女性指揮者。民族音楽の研究や、作曲家としても知られ、数多くの賞に輝いていました。現在、マーラーの交響曲の全曲録音を実現すべく、最後に残った第５番の演奏に取り組んでいます。
マーラーの交響曲第５番は、ビスコンティ監督の「ベニスに死す」で知られる名曲。最も人気がある曲なので、これまで演奏したことがないというのは考えにくいですが、映画を見て、監督は「ベニスに死す」の主人公に、ターを重ねているのだと気がつきました。
ターは、新人チェリストのオルガを気に入り、主席チェリストを差し置いてソリストに抜擢しよう画策します。その選抜方法は、民主的であるように見せかけて、実はオルガが必ず選ばれるように仕組んだものです。
オルガが演奏するのは、エルガーのチェロ協奏曲。夭折した天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの代表曲ですが、彼女を題材にしたエミリー・ワトソン主演の映画「もうひとりのジャクリーヌ・デュ・プレ」(Hilary and Jackie) を思い出しました。
ベルリン・フィルにおいて、圧倒的な権力をもつター。とはいえ彼女の音楽は、オーケストラによって支えられているのに、オーケストラのメンバーひとりひとりに人の心があることに気がつかず、自分の音楽を体現する道具くらいにしか思っていない。
そんなターに反発を覚えながら見ていたので、彼女の冷酷さが引き起こしたある事件がきっかけで、自ら破滅していく姿に、ちょっぴり溜飲が下がったのも事実です。
ターが狂気の中で壊れていく過程は、ケイトが過去に演じた「ブルージャスミン」を思い出しましたが、圧巻の演技はそれ以上でした。孤高の権力者を演じるケイト・ブランシェットは、すばらしいの一言でした。
指揮者ゆえに耳が鋭い。それが自身に恐怖を招く。
壊れていくター...ケイトはさすがですね。
ドラマはホラーぽくて面白かったです。
一時期カメレオン女優と呼ばれていたケイト・ブランシェットの凄さを再び知ったドラマでした。
クラシックには疎いですがチェロの音色は大好きです。
「もうひとりのジャクリーヌ・デュ・プレ」思い出しましたね。あの頃のエミリーは最高でした。
ケイト・ブランシェットのスゴさがあらためて分かる映画みたいですね！キレイカワイイだけ女優さんを見慣れてる目には、キツい劇薬みたいな真のアクトレス！ブルージャスミンも観ねば！ジュディ・デンチと演技激突の「あるスキャンダルの覚え書き」は傑作！
ターさんって実在の人ではなく、フィクションなんですね。音楽には門外漢だけど、音楽家を描いた映画は好きです。だいたいみんな破滅的でイカレてるから（笑）。「アマデウス」とか「恋人たちの曲 悲愴」もぶっ飛んでましたね。ジャクリーヌ・デュ・プレの映画も観たいです！
この役はケイトにしか演じられない！と思いました。
圧巻の演技でしたね。
ドラマはホラーっぽく、ナタリー・ポートマンの「ブラックスワン」を思い出しました。
心理ドラマに引き込まれました。
エミリー・ワトソンは「もうひとりの～」がきっかけで知りました。
彼女も静の中に情熱を秘めた、すごい女優さんですね。
ケイト・ブランシェットすごかったですよ。
前半の冷徹な権力者から、終盤にはなりふりかまわぬ狂気を見せていきます。
振れ幅がすごいです。
ブルージャスミンは「欲望という名の電車」の現代版アレンジですので
たけ子さんには是非とも見ていただきたいです。
ジュディ・デンチと競演の「あるスキャンダルの覚え書き」見たいです！！
この映画はフィクションですが、クラシック音楽界の知られざる裏側にも触れられて興味深かったです。
「恋人たちの曲 悲愴」はチャイコフスキーをモデルにした映画なのですね。
こちらも気になる！
ジャクリーヌ・デュ・プレの映画もなかなかぶっとんでいましたよ。
こちらも機会がありましたら是非。
本作とても気になっています。ケイトの「ブルージャスミン」は壊れっぷりがじわじわ～～とくる感じでしたね。
本作はそれ以上の狂気・・・凄そう。
クラシック音楽界の裏側を描いた作品ってこれまで観たことなかったかも。
「ベニスに死す」の主人公に、ターを重ねている・・・っていう部分もとても気になります。
なんと！上映3時間！！見ごたえありそうですね。
配信になったら絶対見なくては。
本作のケイトは、ブルー・ジャスミン以上のみごとな壊れっぷりでしたよ。
転んで顔面打つわ、演奏時に乱入するわ...
「ベニスに死す」の主人公もたしか作曲家でしたね。
同性愛者で、美しい若者に恋をして、醜さをさらけ出して...
個人的には共通していると感じました。
記事には書かなかったのですが、知人がまさにこういうタイプの頭脳派の権力者なので、はっとしました。（命令するのではなく忖度させて支配するところとか）
かなり長いのですが、意外と長さは感じなかったかな？
お勧めはしづらいですが、よかったら配信で見てみてください☆
書かれていらっしゃる内容、納得です。特に、
>オーケストラのメンバーひとりひとりに人の心があることに気がつかず、自分の音楽を体現する道具くらいにしか思っていない。
という点は、厳しいご指摘ですがその通りですよね。
私は結構ターの来し方行く末に心が痛んでしまったのですが、もしかしたら…ラストに辿り着いた場所でも結局同じことをしてしまうのではないか？と今思ってしまいました。人間の本質ってそんなに簡単に変わらないですもの。
ターはあまりに天才すぎて、周りの凡人が道具のように見えているのかな...と思いました。
でもそれがゆきすぎたばかりに、自分を破滅に追い込むことになりました。
結局は人間として不完全だったということなのでしょうね。
ターがこの先どうなっていくのか、たしかに彼女はこれから先もあまり変わらないような気がしますね。彼女の人生をひっくり返すような人が現れない限り。
早く見たい見たいと思いつつ今頃になってしまいました・・・
ｹｲﾄ･ﾌﾞﾗﾝｼｪｯﾄの演技は本当に素晴らしかったですね！人に見せてはいけない本性がうっかりと出てしまっている感じ、実に秀逸でした。
私なんてクラシック音楽の事が全く分からずで、お恥ずかしいですが、ベニスに死すの主人公にターを重ねていると気付くセレンさん素晴らしいです☆
ターはある意味芸術家あるあるなのでしょうが、哀れでもありましたね。
お返事が遅くなってしまってすみません。
本作、決しておもしろいとはいえない作品ですが
個人的にはガツンと来て、心に響く作品でした。
天才であるがゆえに、冷酷で、人の心を理解せず
自ら破滅していく姿があわれでした。
ベニスに死すの主人公は冷酷というわけではなかったけれど
若き同性に恋をして、なにふりかまわず溺れていく姿に
似ているものを感じました。
ケイトの狂気の演技、すばらしかったですね。