続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

運命。

2012-01-22 06:45:39 | 日常
 近所にいる女の子を見て(ああ、うちにもあんな女の子がいたらなぁ)と思ったことがあった。
 綺麗とか可愛いとか言うのではなく、若い母との二人暮らしで父親の影を見たことがなかったから、欲しいなと秘かに思いを過ぎらせただけの事。

 二人は親の家で一日の大半を過ごし、夜になると近くに借りたアパートへ帰っていくようだった。どういう経緯かを問うこともなかったけど、早くに歌など覚え賢さに驚くようなこともあったのに、幼稚園にも行かず小学生になり、中学生になった。
 午前十時にお使いに出ると決めていたわたしは、早引け(早退)したらしいその子と頻繁に出くわした。お互い軽く頭を下げる程度で言葉を交わすこともなかったけど、今になると何故、一声掛けなかったのか悔やまれてならない。
 淋しそうに肩を落として歩いていく後姿だけが鮮明に思い出される。

 お母さんという人は少女の面影の残るような人だったけど、その子がまだ成人しないうちに病死してしまった。


《どうしているかしら》

 時々その思いが頭をもたげる・・・元気にしているかしら。

 最近、その子の従姉妹に聞いたら「わたしは夜の仕事をしているけど、彼女は最低の仕事」だと言った。
 
 胸を衝かれたまま、わたしの中で凍り付いている。

『城』716。

2012-01-22 06:18:23 | カフカ覚書
こういう事柄は、面くらった最初の瞬間にはついほんとうに信じこんでしまうのですが、ほんのちょっぴりでも思慮をめぐらしただけで、すぐ間違いを訂正せざるをえなくなるものです。それはともかく、ひとつフリーダにも意見を聞かせてもらおうじゃありませんか」

 最初/ersten→arrest/拘留、居残り、禁錮。vast/荒涼とした(荒れ地)をも暗示していると思う。
 ちょっぴり/kleins→klan/氏族。
 思慮をめぐらす/uberlegung→uberlegen/過度の重荷を負わす。
 訂正/richtigstellen→richtig stellen/間違いない、仕掛ける(調整する)。

☆こういう事柄は恐怖によって、拘留の機関を信じこんでしまうものですが、しかしながら、氏族に、過度の重荷を負わせただけでも、間違いなく仕掛けざるをえなくなるものです。
 それはともかく、フリーダ(平和、自由)にも、信念を聞かせてもらおうじゃありませんか。