続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

Mさんの場合。

2012-04-29 06:11:52 | 日常
 Mさんは地の人だけど、ご主人は県外の出身らしい。そこには今もご主人の家や田畑があって、空き家にはなっているけれど、田畑は貸しているので一年分のお米が送られてくるという。
「へぇ、羨ましいわね」というと、彼女は、
「それがそうでもないの・・・、まだその土地との縁が切れていないせいで、冠はともかく、葬祭のほうの連絡は密。この前の葬儀にはお花や供物なんかで7万円もの出費。
 それに、煙突が壊れたとか何とかで頻繁に修理に出かけるの。工具箱を積んでね。布団やその他もろもろ・・・車で六時間・・・くたくただわ。
 お彼岸やお盆のお墓参り・・・この生活をあと何年続けられると思う?」

 嬉々として出かけていた夫も、近ごろでは疲労困憊。『もう、お墓は現居住地に買ってありますから』なんて、親戚の人に言ってそれとなく関係を薄めているようなの。わたしのアルバイトで市営墓地を買ったんだけどね。」と笑った。

 Mさんに限らず、お互いの故郷が離れていると相当な苦労があり、年を経るに従って辛くもなっている様子。
 話を聞いているだけでも大変だなぁと思う。


 その点、わたし達は比較的至近・・・酔っ払ってもタクシーでという距離。
 Mさんの苦労を実感できていないかもしれない。

『城』804。

2012-04-29 05:34:53 | カフカ覚書
窓が小さいうえに、カーテンのためにいっそう暗くなったこの部屋の薄明かりのなかではほとんど影のように見える、もの静かな夫人が、Kのために椅子をもってきて、ベッドのそばに置いた。

 Eine stille→Ahn stille/先祖、沈黙。
 部屋/zimmer→Thema/題《テーマ》
 小さな窓/Kleinfenstrigen→Klan Fenster/氏族、(天)蝕、悲しい、秘密。
 ほとんど/fast→vast/荒地

☆先祖の沈黙、氏族(先祖)の小さな蝕(日蝕を死の入口と考えている)を、その隠蔽のために、題(テーマ)の荒地は漠然としている。