ある日突然、人がいなくなる。生活する場所に戻らず、仕事の現場にも姿を現わさない。
失踪だろうか・・・否、周囲の人間はみんな首を振る。何故かといえば、彼は足が不自由であって松葉杖が不可欠なのである。その杖が部屋に残され、服用すべき薬もテーブルの上に置いたまま姿だけが幾日経っても帰らない。
有りうべからざる状況に警察も動き、三日間における捜索。しかし何の痕跡も見当たらず捜索は打ち切られてしまった。
職業はホテルのコック・・・「北朝鮮に連れ去られたかねえ」「それほどの奴じゃない」「では、どこに?」
どこにいるの?どうしているの?
夫の兄嫁の弟さんである。兄嫁さんは心痛もあってか52才の若さで急逝。
殺人事件があると、どこかに埋められているのではと心が騒ぐ。すでに三十年以上の月日が流れ、誰の口にも上らなくなってしまった事件。
跡形もなく人が消えるなんてことがあるのだろうか。空中に消えるはずはないから、この地上か地下には存在しているはずではないか。
道を歩きながらわたしは考える、この地面の下には億の魂が眠っているという事実を。
南無阿弥陀仏・・・。
失踪だろうか・・・否、周囲の人間はみんな首を振る。何故かといえば、彼は足が不自由であって松葉杖が不可欠なのである。その杖が部屋に残され、服用すべき薬もテーブルの上に置いたまま姿だけが幾日経っても帰らない。
有りうべからざる状況に警察も動き、三日間における捜索。しかし何の痕跡も見当たらず捜索は打ち切られてしまった。
職業はホテルのコック・・・「北朝鮮に連れ去られたかねえ」「それほどの奴じゃない」「では、どこに?」
どこにいるの?どうしているの?
夫の兄嫁の弟さんである。兄嫁さんは心痛もあってか52才の若さで急逝。
殺人事件があると、どこかに埋められているのではと心が騒ぐ。すでに三十年以上の月日が流れ、誰の口にも上らなくなってしまった事件。
跡形もなく人が消えるなんてことがあるのだろうか。空中に消えるはずはないから、この地上か地下には存在しているはずではないか。
道を歩きながらわたしは考える、この地面の下には億の魂が眠っているという事実を。
南無阿弥陀仏・・・。