続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

こういう人になりたい。

2015-02-26 06:09:38 | 日常
「根の世界に魅せられる」と題した昨夕の永田和弘先生のエッセイを読んで驚いてしまった。(日経・2/24夕刊)
 苅住著『最新樹木根系図説』を八万円で購入したけれど、大変安い買い物であったという内容である。

 キュウリが一本七十円(高いわぁ、高くて買えないわ)などとつぶやいているわたし、八万円の本を買うなんて頭が痺れてしまう。(まぁお金持ちは違うのね)と割り切ればそれまでだけれど・・・よく読むと(なるほど)と大いに納得してしまう話だった。

 根のことしか書かれていない樹の根の本。B5判で総論九四〇ページ、核論一一〇〇ページ、厚さ十三センチ。総論では云々と感動のありったけを述べている。(実物を手に取っていないけど、ここまで感動驚異を与える本て!)
 たとえばモミの木、三メートル余の深さまで掘って根全体が詳細に描かれ再現されているという。文章の端々から少年のようなはしゃぎようが伝わってくる。(地下に息づく美しい世界の拡がり)

 凄い本であることはよく分かる。研究内容がある種一目瞭然な面を持つのも鮮明であり、羨望に値する。(読んで想像して実証となると大変な手間と時間を要する)しかし、それを超える労力と根気が要ったに違いない!という憶測が永田先生をして狂喜させたのかもしれない。自分の研究に対する秘かな自負、しかし鮮やかに目前の図譜になっている他者の研究を見て、心(頭?)を打たれたのかもしれない。

《八万円、八万円で研究成果が買えるなんて!》

 そう思えるような、こういう人に、わたしもなりたい!

『冬のスケッチ』37。

2015-02-26 05:58:17 | 宮沢賢治
   崖下の
   旧式鉱炉のほとりにて
   一人の坑夫
   妻ときたるに行きあへり
   みちには雪げの水ながれ
   二疋の犬もはせ来る
   されど 空白くして天霧し
   町に一つの音もなけれど


☆講(はなし)の路(すじみち)には逸(かくれている)図りごとがある。
 講(はなし)は普(あまねく)再び考え、説(はなし)を推しはかる。
 字に秘記を兼ねていることに頼り、空(根拠のないこと)を吐く(言っている)。
 転(ひっくりかえる)謀(はかりごと)の帖(書付)を溢れるほど隠している。

『城』1891。

2015-02-26 05:40:03 | カフカ覚書
事実、彼がフリーダからつぎつぎに質問攻めにされて、こうしたことを答えた口ぶりには、ほとんどもの憂いような気まじめさがあった。

 

☆フリーダ(平和)から、つぎつぎに質問を強いられるというこの事実の言葉には、荒地の切迫した暗さがあった。

*ほとんど/fast→vast/荒れ果てた(など微妙な差異の言葉で、核心の周りを語りつないでいると思う。本文の下に隠れた文章として)