続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『木々』

2015-03-09 06:40:17 | カフカ覚書
 なぜならぼくたちは雪のなかの木のようなものだから。それは滑らかに雪の上に載っているように見える。ほんの一突きで押しのけることもできるだろう。いや、そうはいかない、木の幹は大地とかたく結びついているのだから。
 しかし、見たまえ、それすらもそう見えるというにすぎない。(川村二郎・円子修平/訳『カフカ全集1/新潮社)

 木/Baum→Bann/束縛・追放。
 木の幹/Baumstamme→Bann Stamme/追放・一族(家系)
 雪/Schnee→Schnurre/滑稽な話・馬鹿話。
 ほんの/Klein→Klan/氏族。

 
☆追放(束縛)
 なぜなら、わたくしたちは滑稽な話(馬鹿話)により追放された一族なのだから。
 外見上見えるもの(うわべ)は明らかに存在する。
 氏族の不快の念は、押しのけるべきである。しかし、そうはいかないで固く大地(世間)に結びついている。
 しかしながら見よ。それはただ単に、そう見えるだけなのである。

『冬のスケッチ』47。

2015-03-09 06:14:40 | 宮沢賢治
  瀬川橋と朝日橋との間のどてで、
  このあけがた、
  ちぎれるばかりに叫んでゐた、
  電信ばしら。
       *
  風つめたくて
  北上も、とぎれとぎれに流れたり
  みなみぞら


☆施(いきわたらせる)千(たくさん)の教(神仏のおしえ)がある。
 帖(書き付け)の化(形、性質を変えて別のものになる)で、教(おしえる内容)が現われる。
 凶(悪いこと)の澱(よどみ)は、真(まこと)を封じ、北(にげる)状(ありさま)の縷(細く連なる糸)になる。

『城』1901。

2015-03-09 06:02:04 | カフカ覚書
そこで、Kは、すぐに昼食をとりにいそいでいってこようとした。ところが、ドアをでたかとおもうと、またぞろ教師に呼びもどされた。教師のやつは、今後の判断の材料にするために、こんな特別な仕事を言いつけて、おれの精勤ぶりをためしてみようとおもっただけなのだろうか。


☆そこで、Kはすぐに分かれ道の手前をに急いで行こうとした。しかしなお、再び背後の空虚(幻影)に呼び戻された。空虚(幻影)は、用意した特別な命令で試そうとしているのだろうか。