続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『媚薬』

2015-07-10 06:33:43 | 美術ノート
 赤一色の背景に石化した着衣(上着)が台座の上に象徴的に鎮座している。
 そして「媚薬」という題名。

 結びつき連想されるものは何だろう。
 背景を想像不可の色面で塗りこめているということは、想像を絶するような未来、超未来の暗示であることは間違いない。そしてその時空において『媚薬』と呼ばざるを得ない状況とは?


 地球の変遷を考えてみると、最初の生物は…そして歴史を物語る最古の石とは…。人類などはつい最近の出現である。してみると、この先億年を経た地球に人類は存続するのであろうか。


「これは、かつて人類と呼ばれた我々の祖先が身に着けていた物らしい。当然、この中におさまる肉体というものがあったのさ。」
 超未来につながっていくであろう人類のDNAの進化。環境汚染、環境破壊により現在の人類の態を成していないかもしれない。

「恋しいねぇ、この中にはわたしたち祖先の肉体があったんだよ。情欲という機能が生殖を促していた時代があったんだよ。」
 超未来人たちの侃侃諤諤。

 マグリットは遠くを見る眼差しで夢想する。にんまりと我意をもって作品を仕上げたのではないか。

(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

『銀河鉄道の夜』12。

2015-07-10 06:26:53 | 宮沢賢治
「このぼんやりと白い大きないゝ望遠鏡で見ますと、もうtくさんの小さな星に見えるのです。ジョパンニさんさいでせう。」


☆魄(たましい)を吟ずる講(はなし)である。題(テーマ)の謀(はかりごと)は掩(かくしている)。
 教(神仏のおしえ)である照(あまねく光が当たる=平等)の章(文章)が現れる。

『城』2017。

2015-07-10 06:10:00 | カフカ覚書
そのくせ、ギーザのほうは、もしかしたらシュヴァルツアーを全然愛していないのかもしれなかった。いずれにしても、彼女のまるい、灰色の、文字どおりけっしてまばたかない、むしろ瞳孔のなかでくるくるまわっているように見える眼は、こうした問題になんの解答もあたえてくれなかった。


☆ギーザ(総体)やシュヴァルツァー(影の人)は、もしかしたら生きていないのかもしれなかった。いずれにしても彼女は恐怖し、決して傷痕を見ようとはしなかった。より以前には被後見人としてうわべだけは機関に向いていた。このような問いは先祖の虚報の言葉であった。