続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮Ⅰ-1-4 [無題][Untitled]

2015-08-26 06:31:59 | 美術ノート
 少女だろうか、膝を立て横になっている裸身の少女。膝の上には羽のある昆虫(蠅)が乗り、少女と交信しているかの流れ、一体感が表現されている。
 少女の体内に何かを吹き込んでいる、あるいは少女が飛翔体に何かを吹き込んでいるのだろうか。
 この関係は極めてエロティックである。

 人類でない類の精気との交信。
 飛翔体である蠅は動物に分類される、人類以外の動物からの精気の注入ということかもしれない。
神聖なる少女の異変、目覚め。
 眠りの領域の中での夢空間。
 意図せず、無自覚なまま少女が女に変貌していく性の目覚め。

 作家は男性である。少女の上に男が乗れば、単なる情交であり、猥褻なシーンに過ぎない。

 しかし現実には、非現実という時空の狭間がある。
 少女が女に変貌していく時空の鼓動や疼きを、股を閉じたままの夢空間に惹き入れた作家の側の胸の鼓動も伝わってくる。


(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

『銀河鉄道の夜』59。

2015-08-26 06:07:29 | 宮沢賢治
「もっと遊んでおいで。カンパネルラさんと一緒なら心配はないから。」
「あゝきっと一緒だよ。お母さん、窓をしめて置かうか。」


☆幽(死者の世界)に逸(かくれている)庶(数多く)の辛(苦しい)輩(人たち)や、逸(隠れている)諸(もろもろ)の慕(懐かしく思う)相(すがた)の血(血縁)がいる。

『城』2064。

2015-08-26 05:56:35 | カフカ覚書
こういう視線になる原因は、元気がないからでも、当惑や無礼のせいでもなく、たえず他のどんな感情にもまして孤独を強く望んでいるためであるようにおもえた。この孤独癖は、もしかしたらこんなふうにしてしか彼女自身にも意識されないものかもしれない。


☆区別された先祖の永遠、他のどんな感覚にもまして孤独な小舟の要求は、ひょっとして単に悟りの意識からきたものかもしれない。