続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『Ⅰ-4-1 LIVRE OBJET』

2015-09-10 06:51:22 | 美術ノート
 この作品は何を意図しているのだろう。
 LIVRE OBJETは、生きる目的とか生活のにおける対象物という意味でいいのだろうか。

 上部のフラットな面は右端の縁にハンダ付けの跡があり、四方はそれぞれ鋲で止められ固定されている。
 平静、しかし無言の沈黙という雰囲気がある。

 下部は上部より少し大きな面を占めるものであるが、上下ともその縁の有り様な同じである。上下(向かい合う側)に三ヶ所に穴がある。それは何かに固定するため予め開けられた穴という風である。
 
 線は通信、伝言(指令)の具現であり、四本目の途切れた線は反抗や諦念を想起させる。太い電柱は本部とも見え、わきにある円柱形の物体は変電(変圧)、あるいはエネルギー蓄電とも見受けられる様相である。

 四角の枠は、全体の枠の中に動かし難く収まっている。中の棒状の物は何だろう。生活者かもしれない。それにしては逼塞している。

(上部)上に掲げられた平面上の物は、「自由平等友愛」が隠れた旗印かもしれない。本来そうあるべき国の不自由を暗示しているのではないか。だからLIVRE OBJET(フランス語)なのでは。


 Objectの有する発言、物体が発する意味には言葉が隠れている。精神の振動をObjectに変換させたと思われる作品である。


(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

『銀河鉄道の夜』74。

2015-09-10 06:21:06 | 宮沢賢治
まだそのうしろには三本の脚のついた小さな望遠鏡が黄いろに光って立ってゐましたしいちばんうしろの壁には空ぢゅうの星座をふしぎな獣や蛇や魚や瓶の形に書いた大きな図がかかってゐました。


☆散(バラバラなもの)を翻(形を変えて作りかえる)規約(約束)である。
 章(文章)を謀(計画し)縁(つながる)教(神仏のおしえ)の恒(かわらない)講(はなし)が縷(細く長く続いている)。
 闢(しりぞける)空(むだなこと/根拠がないこと)を消す座(位置)は自由である。
 駄(ねうちがない/つまらない)語(ことば)は蔽(見えないようにすること)が、計(もくろむ)諸(もろもろ)の題(テーマ)の途(すじみち)である

『城』2079。

2015-09-10 06:10:02 | カフカ覚書
寒風のなかにいたせいか、みじみずしく、頬を紅潮させ、いきいきとして元気そうであった。もとはいかにも鈍重そうに部屋のなかに棒のように立っていたのにくらべて、労働のせいでまるで人変りがしたみたいだった。


☆冷たい空気のせいか、新鮮であり、活発な勢力があった以前は、いかにも重要なテーマを待っていたのに比べ、現場不在の今は迷っているようだった。