続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『緑の森の一角獣座』

2015-09-24 06:44:56 | 美術ノート
『緑の森の一角獣座』
 緑の森の中に一角獣座があるとは思えない、当然比喩なわけだけれど、どういう意図なのだろう。

 一角獣座、名前だけは聞いたことがあるけれど、確認したことがない。星座は4等星以下の星ばかり。
 星座板で見ると、オリオン座のベテルギウスと小犬座のプロキオン、大犬座のシリウスの冬の大三角の真ん中を淡い銀河が流れていて、その中にというかそれを跨いであるのが一角獣座ということらしい。

 星の卵(グロビュール/胞子)の集まりであるバラ星雲やハッブルの変光星雲やハーシェルが「天上で最も美しいもの」と述べた二重星・三重星がある天文愛好者にとっては興味深い星座であるらしい。(『星座ガイドブック』藤井旭・著/誠文堂新光社刊・参照)


 とにかく、裸眼では確認が難しい幻の星座である。
 それが緑の森の中にあるという。つまりは、在るけれど、見えない(確認が難しい)聖地ということだろうか。

 深い緑、視覚全体を覆うかの緑。緑の持つ生命の鍵。癒されること以上に生命の源としての神秘が潜んでいる緑は、一角獣座にも等しい生命誕生の秘密の振動が感じられるということかもしれない。
 詩の領域を孕んでいる、この雰囲気の持つ微妙な揺れ。作家の視界を被い、吹く風の匂いとともに再び還ってくる緑の幻想。

 緑の変移・・・脈々と繰り返しながら、なお瑞々しく生命の連鎖をつなげていく。緑と観察者との共鳴、緑の前に立ち、緑に包まれるときに起動する神秘めいた振動は、森の中に確かに存在する。


(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

手持無沙汰で…つい。

2015-09-24 06:31:31 | 今日の一枚。
 すてきにハンドメイド(8月号)のバック、作りやすくて使い勝手がよくて・・・で、いくつも作る必要なんてないのに、また作ってしまいました。

 馬鹿だなぁ…って思いながら、つい作ってしまう。
 安価(299円)な割烹着を購入、柄が気に入ったので袖を切り離し、その部分で作成。299円でエプロンと袖の布地でバック…。悲しいまでにお安いのが好きなわたし。

『銀河鉄道の夜』88。

2015-09-24 06:24:32 | 宮沢賢治
ジョバンニの同級の子供らだったのです。ジョバンニは思わずどきっとして戻らうとしましたが、思ひ直して、一そう勢よくそっちへ歩いて行きました。


☆道(神仏の教え)を求める旨(考え)である。
 胸(心の中)の死(命が終わった)の霊(たましい)が、至(いきつく)自記に逸(かくれている)。
 制(思うままに操り)譜(つづく)講(はなし)である。

『城』2093。

2015-09-24 06:12:11 | カフカ覚書
「そいつは、間違いですよ」と、Kは言った。「ぼくがバルナバスを待っているのが本気でないとおもったら、とんだ勘違いですよ。自分の問題を当局相手にきちんと解決しょうというのが、ぼくのいちばんの願い、ほんとうは唯一の願いなんです。


☆先祖の思い違いです」と、Kは言った。「わたしがバルナバス(北極星=死の入口)をマッチるのが真剣でないというのは大きな間違いです。わたしの当局への秩序は整理し解決すべき事柄だというのが、わたしの本来の、唯一の願いなのです。