『手の力』
積み上げられた煉瓦の上に城らしき塔がある。出入り口らしい門を基準にしてみると煉瓦は異常なほど大きく、積み上げることは到底不可能なほどの巨大さである。
城に対する傍らのコップやバラを基準にすると、城は非常に小さく人の出入りなどは望めない代物であるが、逆であればコップやバラはあり得ない相を呈すことになる。
唯一の絶対は、背後に見える水平線(真理)であるが、それぞれを各々観察するならそれは納得のいく物象である。
この景は経験においては実証不可能な関係性の並列なのである。相対的に成立不可のそれぞれを同じ時空に収める暴挙・・・それを為し得るのが『手の力』であり、手を通した精神(イメージ)の自由である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
「ああ、さうか。もし陳がこの丸薬だけ呑んだらどうなるだらう。変わらない人間がまたもとの人間に変るとどうも変だな。」
☆朕(わたくし)の願いは訳(ある言語をほかの言語に言い換える)で呑(他を取り込むこと)である。
遍く図りごとが現れ、尋(問いただすこと)を兼ねた片(二つに分けたものの一方)を、変えていく。
と言っても、あの子の身に起ったことというのは、あなたにあてた一通の手紙をことづあってきたdけのことにすぎません。けれども、言うまでもなく、それは、そもそもあの子が手に入れた最初の手紙、最初の仕事だったのです。
☆それは、ほかの方法で起こったわけではないのです。先祖の証明もまた伝言(伝説)で得たに過ぎません。しかし、もちろん最初の証明である禁錮の現場不在を要するに手に入れたのです。