続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『冒険の衣服』②

2018-04-05 06:58:03 | 美術ノート

 この清明な空気と思われる見えない層は、オサガメが浮遊しているということから《水中》であると推測される。
 なぜ空気ではなく水なのだろう。しかし、ことさら水であるという条件(理由)はなく、《空気=水》であり、質の変換というより《質の解放》であり、しいては観念の解放、自由な想念を予め基本としている。

 床面は厚みのある板状の層が重ねられているが、これは、地殻の変遷(膨大な時間)を経た時空、過去であり未来であるかもしれない想念の中の時間である。時間の観念さえ失われた超時間…。

 凶器のような外殻(頭部は男根のようでもある)をもつオサガメは、あたかも拒否するようなポーズの無防備な裸体を通過していく。静かなる眠りの時間・・・。
 このような状の可能性はきわめて低い。絶対に有り得ない状況を敢えて描き出した冒険、裸体から想像される衣服ではなく、精神の衣服であり、《精神の冒険》である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『真空溶媒』㉗

2018-04-05 06:46:53 | 宮沢賢治

   (いやあ 奇遇ですな)
   (おお 赤鼻紳士
    たうとう犬がおつかまりでしたな)
   (ありがたう しかるに
    あなたは一体どうなすつたのです
   (上着をなくして大へん寒いのです)
   (どれですか)
   (あなたが着ておいでにんるその上着)
   (なるほど ははあ
    真空のちよつとした奇術ですな)


☆祈りの宮(神を祀る場所)の釈(意味を解き明かす)。
 美しい真の詞(言葉)を兼ねている。
 逸(隠れた)他意は照(あまねく光が当たる=平等)を惹きつける。
 他意を観(よく見ると)、章(文章)の記には、惹きつける照(あまねく光が当たる=平等)の記がある。
 新しい句(言葉)の記で述べる。