床面は、裸体を挟んで差異がある。つまり勾配があり、坂になっているので、重力がある世界ならば裸体はゆっくりオサガメのほうへ降りて行くはずである。
空気と見える相は、オサガメの存在により水中とも考えられる。地層は全て海で作られる、重ねられただけの膨大な年月が裸体の下には眠っている。
空は地平のほうが明るく(白い)、上空は青黒く変移している。光は地平から射しているのだろうか。陰翳はどちらともつかないが…。
単にメルヘンというのなら答えは簡単であるが、『冒険の衣服』という命題は何かを決定づけているはずである。
平和な眠りを妨げようとするオサガメなのか、奇体な暴力性さえ秘めたオサガメとの共存なのか。性的な意味はあるだろうか。
可能性の低い、冒険的な思索の敢行。
不条理を超越した観念の崩壊、答えを探そうとしても見つからず、問いばかりが重なる時空設定である。
人間のみが着用する羞恥・防御・安全のための衣服。それを払拭した姿はまさに冒険の衣服かもしれない。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
おれたちの影は青い砂漠旅行
そしてそこはさつきの銀杏の並樹
こんな華奢な水平の板に
硝子のりっぱなわかものが
すつかり三角になつてぶらさがる
☆永(永久)の照(あまねく光が当たる=平等)を査(明らかにする)
博(大きく広げ)慮(あれこれ思いめぐらす)講(はなし)を吟じ、教(神仏のおしえ)を蔽(見えないようにしている)。
寿(命)を化(教え導き)、赦(罪や過ちを許すこと)を推しはかる。
蔽(見えないようにする)詞(言葉)は、照(あまねく光が当たる=平等)の詞(言葉)であり、太陽を書くものである。
コップや皿の音がする部屋にかぎって、話し声がしなかったし、とんかちの音は、Kがどこかで聞いた話を思いださせた。それは、たえまない精神的緊張をほぐすためにときどき指物仕事や模型づくりをする役人たちがいるという話である。
☆グラスや皿の音がしている部屋などは言葉も聞こえず、ハンマーの音はKに何かを思いださせた。持続的な緊張を回復させるため、指物師の仕事や精密機械などをする、かなりの数の役人(死人)たちが働いているようだった。