続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『同族意識』

2019-04-01 06:37:06 | 美術ノート

   『同族意識』

 同族意識・・・仲間であり、同じルーツを持つ者同士である。
 意識というのは主観であるが、同族意識というと客観的見地である。

『真理の探求』で見た尾ひれで直立した魚の上半身(天空を見ている)が画面手前にあり、遠くに水平線が見える。その中間に球体(真理)があり、傍らに極小に見える二人(男女?)がいる。
 空は重く陰鬱な様相を呈しているが、水平線辺りは明るい。しかし、全体に明るいムードとは言い難く、グレイである。つまり、喜びや未来志向に欠けた硬く殺伐とした光景である。

 何をもって同族意識なのか・・・魚と人間が〈生物〉という族に属すということなのか。しかし、魚は質的変換(硬質、金属)の態であり、有機質というには疑問が残る。

 同族(Family)、この画に描かれている空間(時空)そのものが、同族なのではないか。
 地球を被う大気(雲)、海、大地、人類、魚類、有機、無機・・・あらゆるもの全てが〈Family〉であり、異質・大小・明暗に関係なく同等〈Family〉であるという見解である。

 あらゆるものの中で優位を感じているらしい人間への疑問。
 真理と信じている球体の傍らに存在する人間を俯瞰している魚の眼差し。
 巨大化し質的変換の態をした言葉を持たない魚(人間以外の生物)からの告発の図ではないか。

 同族意識・・・一個のアミノ酸から発生した我らは《同族/Family》である。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『オツベルと象』80

2019-04-01 06:24:42 | 宮沢賢治

「ありがたう。よく来てくれて、ほんとに僕はうれしいよ。」象小屋からも声がする。
さあ、さうすると、まはりの象は、一そうひどく、グララアガア、グララアガア塀のまはりをぐるぐる走つてゐるらしく、度々中から、怒つてふりまはす鼻も見える。


☆雷(神なり)が目(ねらい)の章(文章)である。
 照(あまねく光が当たる=平等)に憶(思いを巡らせる)章(文章)である。
 照(あまねく光が当たる=平等)が逸(隠れている)。
 併(合わせた)双(二つ)の図りごとがある。
 択(良し悪しを見てより出し)注(書き出す)。
 努(つとめて)備(あらかじめ用意しておく)で現れる。


『城』3156。

2019-04-01 06:11:38 | カフカ覚書

たしかに、夜の尋問は、法規のどこにも書いてないことで、これを避けようとしても、規則に違反したことにはなりません。しかし、いろんな事情がありましてな。


☆いいえ、と彼は言い、全く間違いなくこれら不平をそのまま再び言うわけにはいかない。死の審問は全く指示がなく過去にも命令はありません。