『再開』
植木鉢に植えられていた草花がシルエットになり切り抜かれており、その開いた空間に中央に一本の樹のある野原が見える。
植木鉢は高台が付いており、その下には台座もあるという念の入用。不要なものを敢えて付けている。敬っているとも言える。
この光景に敬意を払うとは・・・園の中央に植えられた命の木ではないか。
生命の根源としての木、一つの寓話である。
傍らには三個の卵の入った鳥の巣が置かれている。卵が先か鳥が先かの課題を抱える卵は生命の循環を表している。繰り返される誕生、復元、再起・・・。
植物もしくは動物の生命連鎖、時間は果てしなく続いていく。過去と現在はあたかも瞬間移動としか思えないほどの明滅である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)