続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

Ⅱ-4-d1 67-120

2019-12-16 06:41:36 | 美術ノート

 二人(男女?)は底知れぬ孔(空洞)を見つめている。落下の恐怖・・・座している場所ですら確実ではない。
 しかし、関心の無いことは見えず恐怖の対象にはならない。

 存在とは何か・・・地表にあることへの安心、しかし、見えることのない地下はどうなっているのだろう。地表の起伏は見えるし感じることが可能である。気流でさえも体感し、風による振動は日常的である。
 常なる疑問、地下における振動を聞く事が出来ない。地表を被う9枚あるいは12枚と言われるプレートの遅々たる動向を直視することはできない。ましてその衝突などは…。

 地下を覗き見る行為は、確信の持てない未来への不安である。
 地表の揺らぎ、振動・・・断層の狭間へ巻き込まれ倒壊していく予測、現実となりうる可能性のある巨大地震への恐怖。

 大気の循環、地下の流動…わたし達はその中を生きているし生かされている。
 底知れぬ地下への関心は、生きている地球への関心である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『忘れえぬ人々』51.

2019-12-16 06:28:16 | 国木田独歩

「何に僕だって何ともないさ、君が寝るならこれを借りて去って読で見ようと思うだけです」

 何はカと読んで、過。
 僕はボクと読んで、北。
 何はカと読んで、禍。
 君はクンと読んで、訓。
 寝るはシンと読んで、真。
 借りてはシャクと読んで、釈。
 去ってはコと読んで、己。
 読はドクと読んで、独。
 見ようはケンと読んで、兼。 
 思うはシと読んで、詞。


☆過(あやまち)から北(逃げる)禍(不幸)を訓(教え導き)、真(まこと)の釈(意味を解き明かす)。
 己(わたくし)独(ひとり)が兼ねている詞(言葉)がある。


『城』3320。

2019-12-16 06:08:55 | カフカ覚書

例のどうしてもおとなしくしない役人の声は、あいかわらず廊下にひびきわたっていた。ほかの点では完全に意見が一致しているらしかった。この役人は、すべての同僚たちの分まで騒ぎ立てる仕事をだんだんに引き受けてしまったような格好だった。ほかの連中は、掛け声をかけたり、うなずいたりして、もっとがんばれと激励しているだけだった。


☆常に甲高く響く声は鎮まることがなかった。ほかの観点でもたいへん友好的で互いに留まることはなかった。
 大勢の人たちの十分信念のある騒動である問題を引受けたのである。彼は多くの人たちの問題(使命)を全て引き受けたのである。
 作られた空間に大声で呼びかけ、うなずき、閉じたままになっている事件を元気づけた。