紅梅の木を抱き昏るることもなし
紅梅の木を抱いていると日暮れになってもポッと赤い灯がともっているようで暗くなることがない。
紅梅はコウ・バイと読んで、交、媒。
木はモクと読んで、黙。
抱くはホウと読んで、泡。
昏るはコンと読んで、懇(ねんごろ)。
☆交際の仲立ちしたけれど、黙っている。
泡のような関係、いつまでも懇ろということもないわ。
紅梅の木を抱き昏るることもなし
紅梅の木を抱いていると日暮れになってもポッと赤い灯がともっているようで暗くなることがない。
紅梅はコウ・バイと読んで、交、媒。
木はモクと読んで、黙。
抱くはホウと読んで、泡。
昏るはコンと読んで、懇(ねんごろ)。
☆交際の仲立ちしたけれど、黙っている。
泡のような関係、いつまでも懇ろということもないわ。
百合鷗少年をさし出しにゆく
百合鷗・・・白い羽、赤い嘴。白い肌、赤い唇の美少年。
『ベニスに死す』ベネチアの海、船舶、鷗・・・旅すれば、美少年が登場しそうである。
百合はヒヤク・ゴウと読んで、飛躍、合。
鷗はオウと読んで、奥。
少年はショウネンと読んで、正念。
☆飛躍を合わせた奥義、正念(本気)をさし出しにゆく。
人の身にかつと日当る葛の花
葛は蔦であるから、どこまでも上方へ伸びていく。その葛の花の隙間から思いがけず強い光が当たった。
身はシンと読んで、審。
かつは喝(叱る)。
日当たるはヒ・トウと読んで、否、問う。
葛はクズと読んで、屑。
花はハナと読んで、鼻。
☆人の審査を叱る。
否(同意しない)を、問う。
まったく屑(クズ)の鼻(不平)である。
氷水東の塔のおそろしく
氷の融ける時間と、東にある塔の倒壊。いつかきっとの時間を考えるのは恐ろしい。
氷はヒョウと読んで、評。
水はスイと読んで、推。
東はトウと読んで、盗。
塔はトウと読んで、闘。
評(品定め)を推しはかるが、人の物(作品)を盗んだ闘(争い)は恐ろしい。
孔子一行衣服で赭い梨を拭き
孔子一行は赤土のついた梨を拾い、服で拭ってそれを食べた。
孔子はコウシと読んで、行使。
一行はイッコウと読んで、一考。
衣服はイフクと読んで、威服。
赭いはシュと読んで、修。
梨はリと読んで、理。
拭きはショクと読んで、嘱。
権力、権利などを実際に用いるのは、考えてみると、威服(権力によって相手を服従させること)である。
正すべき理(物事の理)に嘱(委ねるべき)である。