続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)蛇のこゑ。

2020-09-16 07:09:59 | 飯島晴子

   蛇のこゑ髪はあかるくなりにけり

 蛇のこゑ・・・あの女の声がする。髪は確かに経年を伝え明るくなっている(白髪が目立ち始めている)。ああ、彼女も年を取ったのだという感慨。

 蛇のこゑ(蛇声)はジャ・ショウと読んで、邪、娼。
 髪はあかるくなりにけり(髪明為)はハツ・メイ・イと読んで、発、酩、依。
☆邪(正しくないもの)、娼(客をもてなす女)が発(盛んに)酩(酒に酔い)依(寄りかかること)。

 蛇のこゑ(蛇声)はジャ・セイと読んで、邪、盛。
 髪はあかるくなりにけり(髪明為)は、ハツ・メイ・イと読んで、発、名、威。
☆邪(正しくないもの)、盛んに発する名(評判・名声)で威(怖れさせること)。


R.M『野の鍵』②

2020-09-16 06:47:49 | 美術ノート

 野の鍵、つまり自然(見える対象)と主体との間には、見えない扉があるということである。
 見ること、認識は必ずしも対象物と一致しない。そこには微妙にズレがある。
 特に光るものの残像はよく知られ経験することである。物理的にも精神的にも気づかぬうちの現象は《無》の範疇に押しやられてしまう。

 見るものと見たものとの間には時間が存在し、その空白は連鎖というトリックに溶解してしまう。《在ったような気がする、在ったに違いない》というごく微細な時間である。
 破壊された窓ガラスの破片に見えていた景色(野)が、そのままに転写されているのはある種の自然であるが、物理界では否定されるべき事項である。物理界には証拠があり立証という術がそれを教える。

 物理界で笑止とされる精神界の事情を、黙って差し出しているのが『野の鍵』である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』36.

2020-09-16 06:28:07 | 宮沢賢治

 扉の裏側には、
   「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、
    ことに尖つたものは、みんなこゝに置いてください」
と書いてありました。


☆秘(人に見せないように隠す)理(物事の筋道)、即ち、言(言葉)は法(神仏物の教え)である。
 罪(道徳に反する行為)を普く詑(謝罪し)、禁(いましめる)のは仏の涙である。詮(明らかにする)質(内容)を書く。


『城』3498。

2020-09-16 06:14:28 | カフカ覚書

これらのものを二、三時間で都合しなくてはならないのです。ちゃんと身ごしらえができなければ、この地位をあっさりあきらめたほうがよかったでしょう。と言いますのは、身ごしらえが無くては、最初の半時間でもうせっかくの地位を棒にふることは確実だったからです。


☆死はほんの少しの時間で為されるべきでした。正しい準備がなければより良い場所は、要するに放棄されるのです。なんとなれば、その時に最初の半分ばかりの時間で、完全に確実に、すべての時間は失われているのです。