続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)99+

2020-09-19 07:42:44 | 飯島晴子

   葛の花来るなと言つたではないか

 葛の花、立ち上るように上に向かって花を咲かせていく。その蔓は地上を這うのではなく、触るものさえあれば上へ上へとどこまでもという勢いで、垂直に立ち上っていく。
 声の主は葛の花を後ろに見ている。つまり、地上にはいない。作者の気持ちはすでに天上へと昇っていく渦中にある。
 天へ向かう意思・・・死の決意。

《誰も来るなよ!決して、断じて!》

 飯島春子の決別。凄まじくも凛とした強烈な惜別の句である。


『飯島晴子』(私的解釈)麦わらの。

2020-09-19 06:26:28 | 飯島晴子

   麦わらの蛇を受くる人ぼつぼつと

 麦わら帽子がぼつぼつと・・・麦わら帽ばかりが点々とランダムに見える景色。
 蛇を捕獲するため地域一丸の作業、地を這い藪に潜む蛇の捕獲作戦の景である。

 麦わらの(麦藁)はバク・コウと読んで、漠、荒。
 蛇受くる人はダ・ジュ・ジンと読んで、駄、樹、尽。
☆漠(ものさびしい)荒(あれた土地)は駄(値打ちがない)。
 樹(木々)すら尽(すべて何もない)。

 麦わらの(麦藁)はバク・コウと読んで、莫、交。
 蛇受くる人はジャ・ジュ・ニンと読んで、邪、需、忍。
☆莫(むなしい)交(お付き合い)邪(や)。
 需(必要とするのは)忍(人目につかないようにすること)である。