葛の花来るなと言つたではないか
葛の花、立ち上るように上に向かって花を咲かせていく。その蔓は地上を這うのではなく、触るものさえあれば上へ上へとどこまでもという勢いで、垂直に立ち上っていく。
声の主は葛の花を後ろに見ている。つまり、地上にはいない。作者の気持ちはすでに天上へと昇っていく渦中にある。
天へ向かう意思・・・死の決意。
《誰も来るなよ!決して、断じて!》
飯島春子の決別。凄まじくも凛とした強烈な惜別の句である。
葛の花来るなと言つたではないか
葛の花、立ち上るように上に向かって花を咲かせていく。その蔓は地上を這うのではなく、触るものさえあれば上へ上へとどこまでもという勢いで、垂直に立ち上っていく。
声の主は葛の花を後ろに見ている。つまり、地上にはいない。作者の気持ちはすでに天上へと昇っていく渦中にある。
天へ向かう意思・・・死の決意。
《誰も来るなよ!決して、断じて!》
飯島春子の決別。凄まじくも凛とした強烈な惜別の句である。
麦わらの蛇を受くる人ぼつぼつと
麦わら帽子がぼつぼつと・・・麦わら帽ばかりが点々とランダムに見える景色。
蛇を捕獲するため地域一丸の作業、地を這い藪に潜む蛇の捕獲作戦の景である。
麦わらの(麦藁)はバク・コウと読んで、漠、荒。
蛇受くる人はダ・ジュ・ジンと読んで、駄、樹、尽。
☆漠(ものさびしい)荒(あれた土地)は駄(値打ちがない)。
樹(木々)すら尽(すべて何もない)。
麦わらの(麦藁)はバク・コウと読んで、莫、交。
蛇受くる人はジャ・ジュ・ニンと読んで、邪、需、忍。
☆莫(むなしい)交(お付き合い)邪(や)。
需(必要とするのは)忍(人目につかないようにすること)である。