続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)やつと大きい。

2020-10-05 07:13:35 | 飯島晴子

   やつと大きい茶籠といつしよに眠らされ

 生後間もない赤子は、両手の平に乗りそうであるほどに小さい。それが日増しに大きくなっていく。驚くばかりであるが、この作家は《やつと》と言っている。日々愛しみ、時を刻んで《やつと》の思いに至っている。やっと茶籠に納まるほどに大きくなってくれたという慈しみの感慨である。眠らされ、客観的であるのは、わが子ではなくお孫さん、あるいは親しい関係の景かもしれない。

 大きい茶籠はタイ・チャ・ロウと読んで、泰、茶、朗。
 いつしよに(一緒)はイツ・ショと読んで、逸、庶。
 眠らされはミンと読んで、民。
☆泰平(ゆったりしていて)茶(お茶目)で朗(曇りなく明るい)逸(気楽な)庶民。

 大きい茶籠はタイ・サ・ロウと読んで、他意、査、労。
 いつしよに(一緒)はイツ・ショと読んで、逸、諸。
 眠らされはミンと読んで、見ん。
☆他意を査(調べると)、労(ほねおり)が逸(隠れている)。
 諸(もろもろ)見ん(見て下さい)。

 


R.M『禁じられた書物』

2020-10-05 06:48:40 | 美術ノート

   『禁じられた書物』

 Ireneと書かれた床面から突き出た指(人差し指)その上に馬の鈴が浮いている。
 指は指摘であり、馬の鈴は口外(おしゃべり)、一つ浮いているのは名指しの)指摘(論究)かもしれない。しかし、太い指は美的とは言い難い。
 何もない床面に、上へあがるための階段がついているが壁に突き当たるばかり、この先には何もない。
 空疎、論理の薄さ・・・空論を叫ぶ彼女への応えかも知れない。

 マグリットの憤懣、イレーヌに対する禁じられた思い、静かなる攻撃、イレーヌという名前は実在しない架空の名前だと思う。前出のイレーヌの肖像も然り。
 マグリットの冷静さを逆なでした首謀者、匿名の女性像で返礼したのだと思う。
 事件簿である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』47.

2020-10-05 06:29:17 | 宮沢賢治

 ところがその香水は、どうも酢のやうな匂がするのでした。
「この香水はへんに酢くさい。どうしたんだろう。」
 まちがへたんだ。下女が風邪でも引いてまちがへて入れたんだ。」
 二人は扉をあけて中にはいりました。


☆講(話)を推しはかり策(企てている)。
 仁王(仏法の守護神)としての講(話)を推しはかると錯(混じっている)。
 果(思い切りよく)叙(述べ)封(閉じ込める)邪(や)。
 隠すのは新しい。
 普く認(見分けること)で、秘(奥深くてはかり知れないこと)の註(意味を書き記す)。


『城』3509。

2020-10-05 06:17:09 | カフカ覚書

この点でも、ふたりの仲間は、わたしをできるかぎり助けてくれましたけれども、たいして助けにはなりませんでした。寄せ集め、つなぎあわせた布でこしらえた下着は、なんといっても不体裁なものにすぎませんでしたし、ヒールの高い小さなブーツなんかとても手に入りませんでしたから、スリッパで我慢しておかなくてはなりませんでした。


☆ここでは友人ができるかぎり助けてくれました。しかしながら多くではありません。それにもかかわらず、大袈裟に曝され、挫折しました。停滞し、硬直したものの代りに残ったのです。内々の罪が残り、秘密を見て(失敗)を指摘したのです。